初めての株式投資

第151回外国株式について

前回は「単元未満株」について紹介しましたが、今回は「外国株式」について解説したいと思います。

前回まで主に市場外取引対象を紹介してきましたが、今回紹介する「外国株式」も「国内株式」に対する国外の市場取引となります。対象国は取り扱い証券会社にもよりますが、概ね米国株式、中国株式、韓国株式やBRICS株式やアジア株式などが中心となっています。

ただ、売買するためには、専用の「外国株式取引口座」が必要となってくるケースがほとんどです。また、税金も「租税条約」によって外国では課税されず、原則として国内株式と同じ申告分離課税方式ですが、外国で課税される額との調整や外貨の円換算といった外国証券特有の注意点があります。

さらに外国株式の配当金も原則として、まず外国で源泉税が徴収され、その差引かれた金額に対して、再び国内で課税される仕組み。外国税額控除制度で外国で納付した税額を一定の限度額の中で、国内の所得税や住民税から差引くことができますが、やや複雑な計算が必要となってきます。

もちろん、外国株式を取引するには外貨決済を行うなど為替リスクが伴ううえ、個別企業など外国株式についての知識も必要となってきます。国内のイベントだけでなく、海外のイベントにも注意を払う必要もあり、一定レベルの投資経験は不可欠でしょう。

ただ、長らくデフレ経済にある日本に比べ、マイルドなインフレ下にある海外のほうが値上がり益を見込みやすいのも事実。まずは国内株式で経験を積み、知識を積んだあとに外国株式をチャレンジしてみても良いのではないでしょうか。

次回は「株式投資信託」について解説します。お楽しみに!

第152回株式投資信託について

前回は「外国株式」について紹介しましたが、今回は「株式投資信託」について解説したいと思います。

投資信託(ファンド)は、出資先でもある資産運用の専門金融機関(機関投資家)が投資を行い、主に投資家向けに販売されている金融商品を指しますが、株式投資信託は文字通り「ほぼ株式のみ」を投資対象としているのが特徴です。

間接的に株式投資を行なっていることになるため、株式投資信託の購入を通じて投資を行うのも株式投資の一環と言えるでしょう。

資産運用の専門金融機関のファンドマネージャーがファンドの運用を担っているため、個人的な思惑に基づく売買よりも安心感があるほか、銘柄選別の時間がない方の投資スタンスにも合致します。いつでも売買できるオープン型、期間限定のスポット型などがありますが、もちろん投資環境に収益が左右される面は避けられません。

また、デメリットとなるのがコスト面でしょう。売買の際に生じる販売手数料と解約手数料、信託報酬などを割り引かれるため、期待通りのパフォーマンスを演じたとしても投資家のもとに戻ってくる収益は僅かな場合もあります。

銘柄選別の時間がない、という方では上場投資信託(ETF)がありますし、デメリットでもあるコストを軽減することもできます。また、投資顧問会社を通じて売買助言サービスを得る手段もありますし、ある程度型にはまった株式投資信託を通じて売買するよりも個人的なニーズに対応できるのではないでしょうか。

また、投資家自身で売買を行うことで、経験を積むこともメリットとなります。銘柄選択や資金管理、リスクマネジメントなどは経験が問われることから、安定した投資収益を目指すならば、投資家自身で株式投資を行なっていくほうが望ましいのではないでしょうか。

次回は「上場投資信託(ETF)」について解説します。お楽しみに!

第153回2012年版 上場投資信託(ETF)について

前回は「株式投資信託」について紹介しましたが、今回は「上場投資信託(ETF)」について解説したいと思います。

前回で「株式投資信託」を解説した際に「銘柄選別の時間がない」という方に紹介したのが「上場投資信託(ETF)」ですが、当欄でも『いまから始める株投資、基本の基本』でも第19回、第20回と2回に分けて紹介していました。ただ、前回紹介時は2010年でしたし、当時からの変化を含め、改めて解説しましょう。

上場投資信託とは、文字通り「上場している投資信託」で、通称のETFも「Exchange Traded Fund」を略したもの。直訳すると「取引所取引投資信託」になります。

通常の投資信託との違いは、上場株式と同様に証券取引所で売買できるため、信用取引も活用できるなど、株式投資同様の取引を可能にしている点が挙げられるでしょう。また、一度組成してしまえば管理運用が容易なことから、信託報酬も安価に設定されているほか、ETFの多くが比較的低価格で公開されているため、個人投資家にとって取引しやすい対象となっています。

また、日経平均株価やTOPIXの指数連動型など「主要株価指数」を中心としており、株価指数などは一般ニュースでも報じられるため、時価水準の把握も比較的容易。さらに個別銘柄であれば、独自の悪材料で急落することがありますが、株式相場全体が崩れる「ショック安」でもない限り、株価指数が大きく下落することも想定し難いため、個別銘柄に比べても安全な投資対象と言えるでしょう。

さらに昨年の2012年には、レバレッジETF・インバースETFと呼ばれる新たなタイプのETFも登場しました。レバレッジ型はその名の通りに前日比変動率の2倍になるように計算されたETF。インバース型は前日比変動率の-1倍になるように計算されたETFとなっており、全く逆の値動きとなるように設計されています。

現在では、TOPIXを対象としたTOPIXブル2倍上場投信<1568>、TOPIXベア上場投信<1569>、日経平均株価を対象とした日経レバレッジ指数ETF<1570>、日経インバース指数ETF<1571>。そして中国のハンセン指数を対象とした中国H株ブル2倍上場投信<1572>、中国H株ベア上場投信<1573>があり、相場環境に応じて取引できるようになりました。

相場が上昇すると思えば、レバレッジETFを活用して積極的な値上がり益を狙うこともできますし、一方で相場が下落すると思えば、信用空売りを行わずにインバースETFの購入で相場下落を利益局面とすることもできるようになり、取引の自由度はより広がっています。

次回は「不動産投資信託(REIT)」について解説します。お楽しみに!

第154回不動産投資信託(REIT)について・前編

前回は「上場投資信託(ETF)」について紹介しましたが、今回は「不動産投資信託(REIT)」について解説したいと思います。

前回の「上場投資信託(ETF)」でも文字通り「上場している投資信託」として紹介していましたが、今回紹介する「不動産投資信託(REIT)」もその名の通りに証券取引所に上昇している不動産を投資対象とした投資信託となっています。

ただ、海外の「不動産投資信託(REIT)」とは違い、日本の国内法に則った日本版REIT(J-REIT)が日本の証券取引所で取引可能な「不動産投資信託(REIT)」となりますが、実際に売買するうえで大きな違いはありません。

「不動産投資信託(REIT)」は、投資家からの出資を受けた投資法人が不動産に投資し、投資先不動産の賃料を収益源としています。賃料収入は一定期間の契約が主体となるため、比較的収益が安定しているほか、急激な収益減少リスクも低いことから、一般の株式にくらべて配当額が大きく、急激な値下がりリスクも低い投資対象と言えるでしょう。

また、REITによっては、分配金も年に複数回実施されるケースがあり、株式に比べて配当利回りも高めで推移することも多いため、インカムゲインを重視した投資スタイルとの相性も良いのではないでしょうか。

さらに、不動産投資といえば、一般的に流動性の低さがデメリットとなりますが、不動産ポートフォリオによる分散投資、そして手掛けやすい投資口設定で証券取引所にて売買されるため、リスク分散と流動性を兼ね備えています。効率的に不動産投資を行いたい方に適した投資対象と言えるでしょう。

次回も「不動産投資信託(REIT)」について解説します。お楽しみに!

第155回不動産投資信託(REIT)について・後編

前回は「不動産投資信託(REIT)」について紹介しましたが、今回も「不動産投資信託(REIT)」について詳しく解説したいと思います。

前回で「不動産投資信託(REIT)」を証券取引所に上昇している不動産を投資対象とした投資信託であり、効率的に不動産投資を行いたい方に適した投資対象であることを紹介しました。

今回ではREITの特徴や取引のポイントを解説しましょう。

現在、日本の株式市場には30銘柄以上の「不動産投資信託(REIT)」が上場しています。当初は比較的証券化しやすいオフィスビルが主体となっていましたが、次第に商業施設・店舗や住宅へと多様化してきました。

近年では、インターネット商取引の活発化で物流ニーズも増えてきており、倉庫など物流施設を対象としたREITも登場。地価も底堅い首都圏が中心だったものの、地方を投資対象とするREITもあり、投資方針によってREITを選ぶことができます。

REITが保有する不動産の価値は概ね地価に連動するため、地価上昇につながるインフレが好影響となる投資対象となります。取引対象となるREIT保有不動産の地価動向が投資の際に手掛かりとなるほか、金融当局の緩和姿勢との関係性も深く、不動産投資信託(REIT)を取引する際には、金融政策の先行きを調べておきましょう。

また、不動産投資信託を対象とした株価指数でもある「東証REIT指数」は、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数と同じく、REIT銘柄の賑わいを判断んする指標となります。

さらにこの東証REIT指数を対象とした「上場投資信託(ETF)」もあり、不動産ポートフォリオを構成する各REITを総合した株価指数に投資できることから、二重にリスク分散されたREIT・ETFを取引することも可能となりました。不動産投資信託も株式とともに有力な投資対象となりそうです。

次回は「上場有価証券(ETN)」について解説します。お楽しみに!

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