株式用語辞典

【インベスター・リレーションズ】:いんべすたー・りれーしょんず

上場企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信することを指す。英文(Investor Relations)の通り、「投資家向け広報」とも訳されるが、頭字語を取って「IR活動」とも言われることが多い。

パブリック・リレーションズ(Public Relations)の「PR活動」が宣伝または広報を目的としているのに対して、「IR活動」は、投資家に企業内容を正確に伝えることにより、株式評価を高め資金調達など財務活動を円滑にするのが主な目的となっている。

IR活動が前向きな企業は、同時に資本政策を強く意識していることから、株価上昇につながりやすい。個人投資家に向けても、ホームページ上での情報開示や年次報告書や投資家向け広報誌の刊行、企業説明会、スモールミーティングの開催などを実施しており、投資尺度として参考にしたい。

【底値鍛錬】:そこねたんれん

大幅調整を余儀なくされた「底値圏」での銘柄が戻り売りをこなしている状況を指す。「底値鍛錬」が済んだ銘柄は戻りを試しやすい。

底値圏にある銘柄の需給心理としては、「まだ下がりそう」と「そろそろ上がりそう」の綱引きが続き、やや長い期間横ばいの状態となる「底這い」に陥りやすい。ただ、「まだ下がりそう」と見ていた売り圧力が出尽くすと「そろそろ上がりそう」との心理が勝り、需給関係は買い優勢へと傾く。

「底値鍛錬」が済んだ銘柄を見極めるには、底値圏での調整期間や出来高減少、戻りがスタートするタイミングでは出来高増加などのサインがある。

【腕力相場】:わんりょくそうば

相場環境や外的要因の変化を問わずに人為的に作られた相場を指す。資金力を持つ投資家による強引な買い上がりの様子が「腕力」を連想されるため、こう呼ばれるようになった。

仕手筋の思惑による「仕手株相場」なども該当するが、主に需給関係が限られた小型株で発生しやすい。特定の大口投資家による強引な売り買いも「腕力張り」とも呼ばれる。

【ヤレヤレ売り】:やれやれうり

高値で株式を保有していた投資家が下落時に売り切れず、その後の復調とともに「やれやれ、やっと戻ってきたか…」といった感覚で仕切り売りを行うことを指す。

株価が「ダブルトップ」となるのは、この「ヤレヤレ売り」が背景となりやすい。「戻り売り」の一種だが、この売り圧力をこなす力があれば、株価は高値を更新することも多く、復調に至った経緯や材料性を吟味して先行きを占いたい。

【アクティブ運用】:あくてぃぶうんよう

投資信託などの運用方法の一つで、文字通り「active=積極的」な運用方針を採用することを指す。株価指数など市場平均を上回る運用収益を目指すスタイルとも言える。

アクティブ運用方針のファンドでは、ファンドマネージャーが個別銘柄や市場などを分析し、銘柄選択や組み入れ比率を裁量的に判断して運用する。市場平均を上回るパフォーマンスが見込まれる銘柄を買い、市場平均を下回るパフォーマンスが見込まれる銘柄を売るなど、売り買いを併用していくが、ファンドマネージャーの裁量や分析評価に依存するため、収益の安定性は望み難い面もある。

【パッシブ運用】:ぱっしぶうんよう

投資信託など投資運用方法の一つ。前回紹介した「アクティブ運用」が文字通り「active=積極的」な運用方針を採用することを指していたのに対し、「passive=受動的」な運用方針を目指したもの。

パッシブ運用方針のファンドでは、特定の指数(インデックス)の動きと連動したインデックスファンドに投資し、市場の平均的なリターンを目標に運用を行う。メリットとしては、売買回転率が低くくなるため、取引に関わるコストが抑えられることや個別証券の詳細な調査や分析を行わないため、運用報酬も低く抑えられる。

市場平均を上回る運用収益を目指すアクティブ運用に対し、収益の安定性は望めるが、市場平均を上回るパフォーマンスは期待できない。ただ、個人投資家でもETF(上場投資信託)を用いて始められるなど、敷居の低さも魅力となっている。

【仲値決済】:なかねけっさい

銀行など金融機関が、個人との顧客取引や外国為替取引をする際の基準レートとして用いる外国為替レートを「仲値」と言い、東京市場では9時55分ごろのレートを参考に決められることから、この時間帯での価格決定を「仲値決済」として認識されている。

為替相場では、前日の東京時間帯以降の欧州時間帯や米国時間帯で変動が見られた場合、各通貨間の需給バランスを取るべく、「仲値決済」に向けて調整が図られる。また、決済以降も欧州時間帯や米国時間帯での変動を睨んだ動きに推移することから、「仲値決済」が為替相場のターニングポイントとなりやすく、為替相場の変動に敏感な株式市場の変動要因ともなる。

前場の取引時間中となる9時55分から10時時点の為替変動も気を配りたい。

【アノマリー】:あのまりー

英訳の「anomaly」の意味する「変則的事実」に基づき、理論では説明できない株価の規則的な現象を指す。有名なところでは、サマーラリーやサンタクロースラリーなど、季節要因が当て嵌まるものや、米大統領選挙結果や米NFLスーパーボールの勝者に基づくものまで様々な傾向が指摘される。

基本的には、10月に歴史的な暴落が発生しているという事実など、過去のデータや需給要因が働いており、決して軽視はできないものの、経済環境は刻々と変化していることから、過度の期待感で臨むべきものではないとも言える。

【インフレターゲット】:いんふれたーげっと

中央銀行が域内のインフレ率=物価上昇率の具体的な数値目標を設定して金融政策を実行することを指す。需要が供給を上回る場合に発生する「インフレ」は域内成長率を押し上げる効果があるものの、過度の物価上昇は貨幣価値下落など域内経済に悪影響を及ぼすため、金融政策を司る中央銀行によって「制御」が求められる。

基本的には、過度のインフレを防ぐ狙いで設定されるが、日本では慢性的なデフレ(物価下落環境)に陥っており、成長率停滞などの影響が発生。金融政策によって物価上昇を誘い、経済の安定成長を実現する機運が高まっている。

安定的なインフレが実現すれば、デフレ下の安定資産となっていた債券から、物価上昇に敏感な株式市場への資金流入が期待される。

【ポジショントーク】:ぽじしょんとーく

ポジション=持ち高だが、市場関係者が持ち高に沿った相場観を語ることを指す。買いポジションならば強気発言、売りポリジョンが弱気な発言を誘う。投資家心理に素直な願望が発言として出てくることで、多くの参加者の発言を総合すれば、市場心理を映したものとも判断できる。

ただ、影響度の大きい著名・大物投資家や株式評論家などの発言においては、自分のポジションに有利な方向へ導くような発言をマスメディアなどを通じて行い、市場心理を揺さぶることもある。国内ではあまり聞かれないが、海外ではジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェット、ジム・ロジャーズなどや巨額運用を担うヘッジファンド運用担当者の発言が挙げられる。

株とまとについて

無料メルマガ登録

メールアドレス

無料購読

> ご登録にあたって > さらに詳しく

QRコード
「株とまと」は携帯電話からもご覧いただけます。
http://kabutomato.jp/mobile/

このウェブサイトは、ベリサインのSSLサーバ証明書を使用して、あなたの個人情報を保護しています。