株式用語辞典

【デッドクロス】:でっどくろす

株価チャート上で移動平均線を用いたテクニカル指標の売買サインの一例。株価の上に位置する短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けるタイミングを指す。前回紹介した「ゴールデンクロス」とは逆のパターンとなる。

ゴールデンクロスと同じく、25日移動平均線と75日移動平均線が使われることが多い。5日移動平均線と25日移動平均線との交差は「ミニデッドクロス」とも呼ばれる。

ゴールデンクロスは「株価の底打ちサイン」と認識されているが、デッドクロスは「株価が天井を示したあと、下落トレンド入りのサイン」とも言われる。

【閑散に売りなし】:かんさんにうりなし

市場全体の売買量が萎んだ「閑散相場」における売り手不足を示した相場格言のひとつ。市場関係者が減少することの多い年末年始や祝日休場前の状況に起こりやすい。

年末年始や祝日休場前の市場参加者が少なくなる状況を見越して「手仕舞い売り」が事前に出ることが多く、実際に市場参加者の減少する「閑散相場」が到来すると、売り圧力が薄れることになる。これによって、株価の値が保たれるほか、思わぬ好材料によって上伸することもある。

株価変動には、売り手と買い手の需給関係が作用していることを示す事例として扱われることが多い。

【連休の谷間は高い】:れんきゅうのたにまはたかい

相場格言の一例。前回に紹介した「閑散に売りなし」の需給関係となる大型連休の直前、あるいは谷間で株価上昇が発生する状況を指す。

休場前には、休場期間に発生しかねない悪材料を警戒して「手仕舞い売り」が事前に出ることが多いが、実際に市場参加者の減少する「閑散相場」が到来し、懸念された悪材料がない状況となると、売り圧力が減少しているなかで買い圧力に傾きやすい。

結果として、買い手優位の状況となり、株価上昇につながる。ただ、売り手の想定通りに市場心理悪化につながる悪材料が休場期間中に出ることもあり、「谷間の上昇」を狙った買いには注意が必要となる。

【好業績割安株】:こうぎょうせきわりやすかぶ

文字通り「好業績」で「割安」な株のこと。概して好業績銘柄には成長期待も織り込まれるため、割高な評価となることが多く、「好業績」と「割安」は相反する状況だが、市場の評価が十分に織り込まれていない「穴株」や好業績ながら知名度が低く「知る人ぞ知る株」として、物色の手が未だ伸びていない銘柄を指す。

企業の決算発表が一巡すると、決算内容のなかから改めて好業績を示した銘柄に注目が集まりやすく、なかでも株価指標のPERやPBRなどに評価余地の あるものから物色が進みやすい。「好業績割安株」物色は決算シーズン後特有の投資戦略とも言われる。

ただ、割安性に着目し過ぎると「万年割安株」まで投資対象となり、投資効率を下げてしまうことに注意しておきたい。

【サマーストック】:さまーすとっく

直訳すると「夏株」。即ち、夏季の天候により売り上げ拡大が見込まれる企業を対象とする投資戦略を指す。

夏場の気温上昇に伴って拡大する飲料や氷菓子需要、冷房の必要性から飲料メーカーやエアコンを手掛ける企業に連想が働きやすい。また、かつては代表的なものにビールメーカーが推されることも多かった。

古くから夏場恒例の投資対象とされてきたが、近年では市場認識の浸透とともに投資タイミングが前倒されることも多くなっている。「冷夏」による消費低迷が打撃となるだけに、気象情報で夏場の気温予想が打ち出される晩春の頃から思惑視される。

【高値覚え、安値覚え】:たかねおぼえ、やすねおぼえ

高値覚えとは、以前に形成した高値の株価を忘れられず、株価が下がったものの、また高値に戻ると思い込んでしまうことを指す。安値覚えは、高値覚えとは逆に以前の安値水準を忘れられないこと。

「高値覚え」が癖になると、保有株が下降基調になっても、なかなか手放すことができず、いつまでも売れない「塩漬け」状態に陥りやすい。「安値覚え」も買いのタイミングを躊躇し、結果的に「高値掴み」を余儀なくされる。

対応としては、時価が市場が決めた「適性株価」と認識し、常に柔軟な発想で取り組むことが必要。業績などと連動して変化する「株価指標」も参考にしたい。

【難平買い】:なんぴんがい

買った株が値下がりした時に買い増して、買い平均コストを下げることを目指した投資手法の一つ。思惑通りに株価が反転すると大きな利益を得られる半面、値下がりが続けば買い増しを余儀なくされるため、損失も膨れやすい。

歴史的な「ショック安」で割安感が台頭した場合や企業の成長可能性を見込んだ中長期投資では有効な戦略とされるが、「下手な難平はケガのもと」「下手なナンピン素寒貧」など難平買いを戒める投資格言も多く、安易な取り組みは敬遠したい。

ただ、逆張り視点でもって買い平均コストを下げることは合理的な投資手法でもあり、リスク管理を徹底し、資金に余裕を持って手掛けるならば有効性を発揮しよう。

【追い証】:おいしょう

株の信用取引における「追加委託保証金」の略称を指す。別名として「マージンコール(Margin call)」とも呼ばれる。

相場の変動によって評価損が発生し、証拠金価額が最低維持証拠金額を下回った場合には、所定の期日までに証拠金価額を最低維持証拠金額以上に回復させる必要があり、証券会社から「追加委託保証金」を差し出すことを要求される。この追加委託保証金を差し入れない場合は強制的に決済取引が執行されるため、保有維持に努めるためには、証拠金を差し入れなければならない。

「買い主体」で臨む個人投資家が多いことから、株価指標の大幅調整時に「追い証」が発生しやすく、「暴落(ショック安)」の数営業日後には「追い証発生に伴う投げ売り」も更なる下げ要因として働くため、調整の長期化にもつながりやすい。また、証券会社からの「追い証」確認が「入金確認」連絡の連想につながっているため、「信用取引は怖い」との一般的なイメージが付く要因ともなっている。

「追い証」を防ぐには、保証金維持率に余裕を持って信用取引を行う必要がある。また、証券会社から「追い証」の連絡があった場合、投資資金に余裕がなければ即座に信用建玉の返済を行いたい。

【バイ・アンド・ホールド】:ばい・あんど・ほーるど

英文の「Buy and Hold」通りに「長期保有」と訳され、一度ある銘柄を買ったら、売らずにずっと持っていることを指す。中長期視点の投資戦略として一般的な手法とされる。

企業株式は、収益成長や事業拡大とともに株価水準も高まっていく。投資家に対しての利益還元は、株式配当(分割)や配当が行われるが、長期間保有によって複利効果の享受を狙ったもの。

古くは、トヨタ<7203>や松下電産(パナソニック)<6758>、新興企業ではヤフー<4689>の長期保有で財を成した成功談が聞かれた。「バイ・アンド・ホールド」戦略を用いる海外の著名投資家では、ウォーレン・バフェット、ベンジャミン・グレアム、ジョン・テンプルトンらが挙げられる。

割安株投資との相性が良く、逆張り視点で「弱気相場」の終了期の買いがタイミングとされる。ただ、時代の変化とともに需要減少や競争激化を余儀なくされることも多く、長期的に生き残ることができる企業を選別する「眼力」が必要と言われる。

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