株式用語辞典

【マーケットタイミング】:まーけっとたいみんぐ

前に買い、下がる前に売却するといった、市場の動向を予測して売却や投資を行う投資戦略を指す。

前回紹介した「バイ・アンド・ホールド」と違って、好況時には買い増しなどを交えて積極的に資産拡大が狙えるほか、運用資産が目減りした場合には「損切り(ロスカット)」を行うなど、長期保有によるリスクを減らせるなどのメリットが挙げられる。

ただ、長期保有に比べて、売買回数が多くなるため、トレードコストが嵩むほか、エントリータイミングを計るべく、各国の金融政策や財政、主要な経済指標等を分析しマクロ経済のサイクルなど情報収集に努めなければならず、売買に際しては判断力が必要とされる。

【NT倍率】:えぬてぃーばいりつ

NT倍率のNは日経平均株価(N)を指し、Tは東証株価指数のTOPIX(T)。日経平均株価(N)をTOPIX(T)で割ることで、その両株価指数の倍率を求めたもの。

NT倍率が高い時は、日経平均株価が優位となっており、逆にNT倍率が低いときは、TOPIXが優位に推移しているとも判断できる。

市場の上昇とともに、NT倍率も上昇していれば、日経平均株価の指数寄与度の高い値嵩ハイテク株主導の上昇とも読み取れ、一方でNT倍率が下がっていれば、時価総額上位を占める内需系大型株主導の上昇とも判断できるだけに、過去のNT倍率の推移を比較するこで、相場環境の把握が容易となる。

また、過去の水準を大きく乖離した場合、逆張り視点で「出遅れ」を狙う方法もあり、投資判断にも使われている。

【雷同売買】:らいどうばいばい

「自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調する」という意味の四字熟語「付和雷同」に因んで、市場の人気株や話題株、証券会社の推奨のままに売買する便乗取引を指す。

「雷同売買は怪我の元」という相場格言もあるが、個別銘柄では大手筋の思惑が反映されやすく、思わぬ投資好機を掴む可能性があるほか、相場観を伴わない未熟な個人投資家ならば相場巧者の助言も参考になることから、投資経験を積むうえでは「雷同売買」も避けては通れない。

とはいえ、やはり資金量などは個人によって違いがあり、「雷同売買」を生かすにはマネーマネジメントやリスクマネジメントが重要となる。

【オーバーシュート】:おーばーしゅーと

IT業界や自動車など機械業界でも使われるが、為替や株式など投資業界では上昇相場や下落相場の最終段階で発生しやすい、「行き過ぎた値動き」を指す。

上昇相場や下落相場の最終段階では、投資行動が一方に大きく傾き、需給関係も崩れる。投資家も冷静さを失い、ピークアウト後には「異常値」と感じられる価格を形成しやすい。

トレンドフォローで接していたとしても、即座に「行き過ぎた値動き」と判断できるような、冷静な投資感覚が重要となる。

【サマーラリー】:さまーらりー

夏相場を連想させるキーワードの一つで、夏季における「活況相場」を指す。米国市場では、夏場(7月4日の独立記念日(インディペンデンスデー)から9月第1月曜日の労働者の日(レーバーデイ)までの期間)に株価が上がりやすい傾向(アノマリー)があり、株価の上昇期待感も高まりやすい。

また、サマーバカンス(夏休み)など陽気なムードが漂うほか、休暇シーズン前にサマーボーナスをもとに優良株買いを進めるタイミングでもあり、心理要因や需給要因からも上昇ムードに影響されるようだ。

【夏枯れ相場】:なつがれそうば

「サマーラリー」と同様に夏相場を連想させるキーワードの一つで、夏季における「閑散相場」を指す。

夏場においては、盆休みなどの影響で商店・事業などが一時的に売り上げが落ちて景気が悪くなる「夏枯れ」が発生しやすいが、株式市場にも売買量が低下して活気がなくなる「往来相場」も起こりやすい。

また、夏枯れ相場の安値水準を「夏底」と言い、ボリューム回復によって復調を目指す下値メドとしても認識される。

【写真相場】:しゃしんそうば

他国の取引所や商品、為替相場に同調して動くことを指す。東京市場は米国市場の影響を受けやすく、米国市場の結果通りの内容となると、「アメリカの写真相場」という表現が使われることが多い。

ただ、大幅高した米国市場の結果から「写真相場」と見込んで東京市場で買い上がると、米国市場の反落によって「巻き込まれる」ケースに遭いやすい。市場のムードに流されないよう、相場観を養うのが重要となる。

【ブルーチップ】:ぶるーちっぷ

米国市場で取引される「優良銘柄」を指す。ダウ工業株30種平均採用銘柄や収益力、成長実現力を備える「安定株」との位置付けもある。

語源は、カジノで使われる最高額チップは青色が多く、カジノ用語が株式用語に転じたとする説が有力。米国発祥だが、東京市場でもTOPIXコア30銘柄など「国際優良株」とされるものを「ブルーチップ」として認識されるケースも見られる。

【レッドチップ】:れっどちっぷ

前回取り上げた「ブルーチップ」が主に米国市場で使われるのに対して、中国共産党のカラーでもある「レッド」の連想から、「香港市場に上場する中国本土企業の香港法人株式銘柄」を指す。

中国の改革開放政策により、香港市場への本土企業の上場促進策が打ち出され、香港法人設立後の上場が相次ぎ、膨大な人口による成長期待で外国資本が流入。「レッドチップ」として位置付けられた。また、資本も登記も中国本土で香港に上場してる企業は「H株」と呼ばれる。

ただ、企業実態そのものに着目したものではなく、「香港市場に上場する本土企業」という定義だけのもので、上海や深セン市場に投資可能となった今では意義が薄れつつある。

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