株式用語辞典

【ポジショントーク】:ぽじしょんとーく

ポジション=持ち高だが、市場関係者が持ち高に沿った相場観を語ることを指す。買いポジションならば強気発言、売りポリジョンが弱気な発言を誘う。投資家心理に素直な願望が発言として出てくることで、多くの参加者の発言を総合すれば、市場心理を映したものとも判断できる。

ただ、影響度の大きい著名・大物投資家や株式評論家などの発言においては、自分のポジションに有利な方向へ導くような発言をマスメディアなどを通じて行い、市場心理を揺さぶることもある。国内ではあまり聞かれないが、海外ではジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェット、ジム・ロジャーズなどや巨額運用を担うヘッジファンド運用担当者の発言が挙げられる。

【リパトリエーション】:りぱとりえーしょん

英訳「Repatriation」が「本国送還」を指し、金融業界では「資本の本国還流」との意味を持つ。日本では、輸出企業が海外で得た収益(外貨)を日本円に替えて本社へ送金する行為となる。

決算集計を迎える決算期末には、外貨の日本円転換が進むことから、9月末や3月末には円高要因となりやすい。円高が株式市場の調整要因となることから、この円高圧力も無視できず、影響を織り込んでおきたい。

【オイルマネー】:おいるまねー

中東諸国などOPEC加盟国を対象に、石油輸出による経常黒字で蓄積された資本力を指す。石油取引ではドル決済が用いられることから、「オイルダラー」とも呼ばれる。

原油相場高騰時には、余力を増した政府系ファンドを通じて株式相場への活発な資金流入が確認される。ただ、イスラム系のアラビア資本を軸とするため、イスラム教の教義に基づく法体系(シャリア)に沿った企業が対象となるほか、イスラム教徒の義務の「断食(サウム)期間」に当たるラマダンの影響も受けるようだ。

【シャリア指数】:しゃりあしすう

前回取り上げた「オイルマネー」の投資対象となるインデックス指数を指す。東京証券取引所がグローバル・インデックス算出先大手のスタンダード&プアーズと共同で「S&P/TOPIXシャリア指数」を開発しているほか、各インデックス指数算出企業がそれぞれの基準で構成銘柄を決めている。

イスラム系のアラビア資本を軸とするため、イスラム教の教義に基づく法体系(シャリア)に沿った企業が採用されている。不適合とされるのは酒類や豚肉を扱う企業、利子の発生する証券・銀行など金融業、ホテル、ギャンブル、女性の露出を放映するメディアやポルノ、たばこを扱った銘柄は除かれており、独自性のある指数とも言える。原油相場高騰時には、余力を増したオイルマネーの流入先となる構成銘柄をチェックしたい。

【ラマダン】:らまだん

イスラム暦における第9月に行われるイスラム教徒の義務の一つ「断食(サウム)」期間を指す。この月の日の出から日没までのあいだは、食事を行わず、日没後に食事を摂ることから、経済活動が鈍るとの観測が指摘される。

前回まで取り上げた「オイルマネー」「シャリア指数」など、株式市場における中東資本の動きに敏感となっており、ラマダン期間中には投資姿勢が鈍るとの見方が多い。しかしながら、中東資本の多くは欧米金融機関を介して間接投資を行うため、実際のところは「ラマダン期間に投資意欲が鈍る」ことは少ないとされる。

【先導株】:せんどうかぶ

株式市場の牽引役となる株式群を指す。売買代金上位に進出した銘柄のうち、投資テーマの軸となる企業や株価指数の影響度が高い中核株の一角がその役を担いやすく、好業績を背景に高値抜けを果たし、商いが膨らんでいるケースも多い。

東証全体の売買高(出来高)上位10銘柄が占める割合を示す指標として、「先導株比率」があるが、30%を超える場合に大型株中心の相場、10%未満の場合は牽引役不在の様子見ムードと受け止められる。

【出遅れ株】:でおくれかぶ

前回取り上げた「先導株」は株式市場の牽引役となる株式を指したが、今回の「出遅れ株」は株式市場の上昇に「乗り遅れた銘柄」を指す。概ね先導株の上昇が鈍った局面で出遅れ株の修正高が進むことが多い。

ただ、評価が出遅れている以上、株式相場全体の上昇が止まると、先導株よりも出遅れ株から値を崩しやすく、相場の上昇度合いを見極める必要がある。「出遅れ株を深追いするな」という相場格言もある。

【サンタクロース・ラリー】:さんたくろーす・らりー

米国市場で伝わる「クリスマスの直前に買って、翌月に売れば儲かるケースが多い」という過去のアノマリーを指す。1987年から2007年までの過去20年間の一部調査では、12月15日に買い、翌年の1月31日に利食い売りした場合の平均リターンは大型株で3.0%を超えたとされる。別名はサンタラリー。

市場参加者が減ることで「閑散に売りなし」の需給期待が高まるほか、クリスマス商戦の結果が出揃い、小売業を中心とする好業績期待も背景とされる。東京市場も「掉尾の一振」のように、節税対策売りをこなしたあとの株高期待もあり、日米ともに年末年始の株価上昇の経験則が存在している。

【面合わせ】:つらあわせ

株価が以前に付けた高値または安値と同値に達することを指す。高値では「高値面合わせ」とし、安値では「安値面合わせ」と呼ばれる。「つらあわせ」との読みが一般的だが、「顔合わせ(かおあわせ)」とも表記される。

前回の高値、安値に達しているため、相場の基調としてはその方向に向いているが、「面合わせ」のまま抜けきれなければ、ダブルトップ・ダブルボトムになりかねず、同値での攻防後の展開を読むことが重要となる。

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