【LBO】:えるびーおー
英訳「Leveraged Buyout(レバレッジド バイアウト)」の頭文字を略したもので、買収対象会社の資産や将来のキャッシュ・フロー、営業力などを担保として買収資金を調達する企業買収(M&A)の方法を指す。
自己資本は少なくても、金融機関からの金融支援を得て企業買収できることから、株主からの反発も予想される敵対的買収で用いられるよりも、過去に紹介した「MBO=マネジメントバイアウト(Management Buyout)」のように、会社経営陣による自社株式買収で用いられることが多い。
【ECB】:いーしーびー
英訳「European Central Bank」の頭文字を略したもので、欧州の統一通貨「ユーロ」のコントロール、および金融政策を司る「欧州中央銀行」を指す。世界的な中央銀行の一角で、米国でのFRB(連邦準備銀行)、日本における日銀(日本銀行)とともに通貨政策に大きな影響を与えている。
前身は欧州通貨機構で、本店はドイツのフランクフルトにある。ドイツ連邦銀行をモデルにややインフレ対応(物価安定)に重きを置いた政策を実施することが多い。中央銀行としての方針を策定する6人の役員で構成されており、役員のうち4名はユーロ圏でも大国とされるフランス、ドイツ、イタリア、スペインの中央銀行出身者で占められるなど、欧州債務危機への対応では意見の分かれるケースも見られた。
【CB】:しーびー
英訳「convertible bond」の頭文字を略したもので、転換社債型新株予約権付社債を指す。転換社債型新株予約権付社債とは、社債に新株予約権が付された形態で発行される債券が該当する。
普通社債では、償還時に利子を含めた資金が投資家に返還されるのに対し、転換社債型新株予約権付社債では、株式を一定の条件で取得するための新株予約権を付与し、新株予約権の行使があると、社債部分の金額が、株式として払い込まれたとみなされるのが特徴。新株予約権の行使によって発行される株式数や、行使期間が設定されているものの、予約権行使による新株発行は一株利益の希薄化につながることから、転換社債型新株予約権付社債実施は既存株主から嫌われることが多い。
【MSCB】:えむえすしーびー
前回紹介した「CB(convertible bond)」の転換社債型新株予約権付社債に対し、今回のMSCBは英訳「moving strike convertible bond」の頭文字を取ったもので「転換価格修正条項付転換社債」を指す。
株式を一定の条件で取得するための新株予約権に転換価額を株価の変動に応じて上下に修正できる条項が付けられたもので、必然と株価下落とともに転換される株数が増えるため、一株利益の希薄化につながりやすい。引き受け手には有利な社債発行となるが、借り手には資金調達の必要性が印象づけられ、転換社債型新株予約権付社債よりも緊急性の高い資金調達手段とされている。
【MPO】:えむぴーおー
英訳「Multiple Private Offering」の頭文字を取ったもので、直訳すると多様化私募による資金調達手段を指す。前回まで紹介していた転換社債型新株予約権付社債「CB(convertible bond)」、転換価格修正条項付転換社債「MSCB(moving strike convertible bond)」などを活用し、早期の資本増強を目指す企業の資金調達手法と位置付けられている。
新株発行による公募増資などとは異なり、一時的に大量の株式が市場に出回らず、株価への影響を小さくすることができるが、新株予約権のみ場合、発行株数は固定化されているので希薄化が限られるも株価変動によって払込金額が変動するうえ、転換価格修正条項付の場合には、資金調達額が確定した後に株価が大きく下落すると、転換価格が下がって企業の想定以上に発行株数が増えるリスクも伴うため、必ずしも株価の影響は小さくなるとは言えない。
【アルファ】:あるふぁ
ギリシャ語アルファベットの「α」を用いたもので、投資用語としてはファンド収益率や個別銘柄銘柄の変動特性を測る尺度として、市場要因によらないリスクによって生じる投資収益率・変動率を指す。
ファンドリポートなどでは、市場全体の動き(ベンチマーク)に起因するパフォーマンスを差し引き、運用者の技量に起因する利益を示す際に用いられる。個別銘柄では、市場全体の動きの変動分に左右されず、独自成長・株価上昇を遂げる銘柄に対し「アルファ資産」として投資対象の候補とされる場合が多い。
【ベータ】:べーた
ギリシャ語アルファベットの「β」を用いたもので、投資用語としてはファンド収益率や個別銘柄銘柄の変動特性を測る尺度として、株価指数や市場平均などベンチマークとなる指標との感応度を指す。
前回紹介の「アルファ」が市場要因によらないリスクによって生じる投資収益率・変動率などアクティブな投資リターンを指していたのに対し、今回の「ベータ」は株価指数などベンチマークに連動するパッシブな投資リターンとなる。
ベータ値が1のときは、ベンチマークと変動性が等しく、1より大きい場合はベンチマークより変動が大きくなり、1より小さければ変動が小さくなる。株価指数などが強い上昇トレンドにあるときには、市場感応度(β値)の高い銘柄に集中投資すれば、市場平均よりも投資リターンが上回ることになる。
【SGX】:えすじーえっくす
英訳「Singapore Exchange」の略称でシンガポール取引所を指す。現物株式市場と派生証券市場の総合金融取引所で、アジア各国の金融先物、オプションが多数上場。日経平均先物も上場している。過去には、シンガポール国際金融先物取引所(SIMEX=サイメックス)の愛称で先物推移が注目されていた。
大証の先物取引開始前の8時45分より取引が開始されるため、寄り付きの参考指標ともなっている。一部中断を交えながら、翌日3時まで取引が行われている。他の金融先物も備えていることから、日経先物も海外参加者を多く取り込んでおり、出来高、建玉数ともに大証に匹敵している。
【MRF】:えむあーるえふ
英訳「Money Reserve Fund」の頭文字を取ったもので、1円以上1円単位で購入及び即時解約が可能なうえ、購入手数料が不要な公共債型投資信託の一種。主に証券口座で付されており、毎日決算が行われて残高に応じて分配金が支払われるが、非常に利回りが低いため、有価証券の売買に必要な資金を一時的にプールしておくためのサービスと認知されている。
銀行の当座預金に相当するサービスで、証券総合口座で入金、売買が行われる際に自動的に購入・解約がされる。ただ、信用取引口座を開設すると、保証金や預かり金と合算されるため、MRFサービスが停止されてしまう。また、信用取引や先物、FXなどレバレッジ商品とのサービス併用や昨今の金融グループ化の取り組みのなかで、ネット銀行などとの連携口座にサービスに移行しつつある。