【CDS】:しーでぃーえす
前回紹介した「クレジットデリバティブ」の一種で信用リスク取引を指す「Credit default swap」(クレジット・デフォルト・スワップ)の頭文字を取ったもの。CDSの買い手は一定の契約料を支払うことで、ある企業や自治体のデフォルト(債務不履行)に対するプロテクションをCDSの売り手から買い取ることができ、債務不履行等が起こった場合の「損害」を軽減することができる。
一方で、CDSの売り手は一定の契約料が受け取ることで、定期的な収入となるが、発行体のデフォルト(債務不履行)が発生した場合には買い手に代わって債務を購入しなければならず、多大なリスクを負うことになる。2008年の金融危機や2011年の欧州信用問題ではCDS取引の損失が金融機関の業績に大きな影響を及ぼした。
【アクティビスト】:あくてぃびすと
投資先企業の会社経営に積極的に提言を行う株主を指す。予め一定量の株式を取得し、経営陣への発言力を強めたうえで、企業価値の向上を目指すべく経営に口先介入することが多い。別名「もの言う株主」としても位置付けられている。
とくに株主の権限が強い海外では、ヘッジファンドなどが経営陣との対話・交渉のほか、株主提案権の行使、会社提案議案の否決に向けた委任状勧誘を行うケースが目立つ。株主還元姿勢が低いとされる日本企業にも積極的に増配を迫る行動も見られた。
【締まる】:しまる
小安い状況から取引終盤にかけて戻すことを指す相場用語のひとつ。下げ渋りが日中を通じて用いられるのに対し、「締まる」は引けにかけての動きにのみ使われる。
ダレ気味な状態が「引き締まる」様子を例えたものとされるが、取引終盤にかけて日中の売り圧力が途絶え、見直し買いが優位となるケースや翌営業日を見据えてポジション調整が進むことなど、概ね需給要因が作用しているようだ。
【アウトパフォーマンス】:あうとぱふぉーまんす
「より優れた」という意味の英訳「Outperform」と「表現する」の「performance」を組み合わせたもので、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数をベンチマークとして、銘柄の推移がベンチマークを超過していること指す。
アナリストや調査機関の投資判断でも「Outperform」が用いられるが、ベンチマークを上回ることを意図しており、必ずしも絶対収益がプラスに推移するとは限らないことを覚えておきたい。
【アンダーパフォーマンス】:あんだーぱふぉーまんす
「期待外れ」という意味の英訳「underperform」と「表現する」の「performance」を組み合わせたもので、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数をベンチマークとして、銘柄の推移がベンチマークを下回ること指す。前回紹介した「アウトパフォーマンス」とは真逆の表現となる。
「outperform」と同様にアナリストや調査機関の投資判断でも「Underperform」が用いられるが、ベンチマークを下回ることを意図しており、必ずしも絶対収益がマイナスに推移するとは限らない。
【リテールサービス】:りてーるさーびす
英訳「retail」の意味の通り小口取引を指し、金融業界では主に個人向けサービスを指す。証券業界のリテールサービスでは、かつて対面取引が主流となっていたが、現在ではインターネット取引が主流となり、リテールサービスのみ執り行う「ネット証券」が一般的となった。
競争の激しいリテール業務では、手数料や提供情報などサービスに差を付けて「差別化」を図る取り組みが見られているが、投資家としても個人のニーズに合ったサービスを選びたい。
【ホールセールサービス】:ほーるせーるさーびす
英訳「wholesale」が意味する大量販売、卸しなどから、金融業界では主に企業など大口取引を指す。証券業界では、前回の「リテールサービス」とは対照的に、顧客が機関投資家や企業など法人相手のサービスとなる。
個人顧客相手の「ネット専業証券」は「ホールセールサービス」を行なっておらず、従来からの大手証券が「ホールセールサービス」を担っている。M&A、資本調達などインベストメントバンキング業務も併用するケースが多い。
【ぼける】:ぼける
反応が鈍くなる状況や物事の内容などがはっきりしない状態の「ぼやける」表現を意味したもので、上向いていた相場が、いくらか安くなることを指す。
依然に紹介した「締まる」とはほぼ反対の内容で、堅調な相場がダレ気味となり、先行きが見極めにくくなる状態や活況を呈していたテーマ株などの循環物色が一巡し、資金の行き場を見失った場合に使わることが多い。