株式用語辞典

【ショーグン債】:しょーぐんさい

前回紹介した「サムライ債」が「円建て外債」の通称となっていたが、今回の「ショーグン債」は「外貨建て外債」を指す。海外の発行体が日本国内向けに外貨建てで発行するため、そのまま為替変動リスクを伴う。

発行通貨は米ドルのほか、ユーロ建てや豪ドル建てがあり、円高時に円安転換が見込まれるときの為替差益や高利回りが見込まれるのがメリット。ただ、為替ヘッジが行えないため、償還時に円高に振れた場合には利回り以上の損失が発生することもある。

【投資部門別売買状況】:とうしぶもんべつばいばいどうこう

証券取引所が公開している市況統計情報のひとつで、対象期間中に取引された売買のうち、法人や個人、海外投資家、証券会社の自己売買などを集計したもの。通常では毎週木曜日に開示される週間での株数ベース、売買代金ベースでの統計が重要視されている。

とくに全取引の7割前後を占める海外投資家の売買代金ベースの売り越し、買い越しが注目されており、海外投資家の投資意欲を図る基準となっている。ただ、週間ベースだけで判断すると誤りやすく、月間集計や先物オプション取引と併用しながら見ていく必要がある。

【もちつき相場】:もちつきそうば

年末年始での相場展開を指す。年末年始休暇入りで市場参加者が少なく、取引量も減少するなかで、少量の売買で振れやすくなり、餅つきのような上げ下げを繰り返しやすい状況から付けられたもの。

株式相場だけでなく、商品先物相場などでも同様のケースになりやすく、年末年始の相場認識として一般化している。また、特定の銘柄に売買が偏りやすくなり、値動きの軽い個別株の暴騰も見られることが多い。

【荷もたれ感】:にもたれかん

当初は株価上昇を見せていたものの、信用取引での買い残高が膨らみ、活躍銘柄が需給要因で上値が重くなることを指す相場用語の一つ。買い残を重荷と見た喩え。

買い残は将来の売り要因ともなるため、買い残が増えてくると、断続的な手仕舞い売りや今後の売り圧力を警戒した買い手控えによって膠着しやすく、上値が重たくなる。株価上昇とともに買い残の増減にも気を配りたい。

【セクター】:せくたー

英訳「sector」が部門や部署、扇形での区分けを指すことから、株式相場では一般的に「業種」と認識されている。ただ、業種が東証が分類している33業種に割り振られているのに対し、セクターには輸出関連や内需関連、ネット関連など、業種間を超えた分類として認知されることもある。

業種別株価指数の騰落を見ながら、株式市場で今勢いのあるセクター、テーマ株を探していけば、次に活躍期待の高まるセクター、テーマが見つけ出せるかもしれない。

【ストップオプション】:すとっくおぷしょん

上場企業に属する役員や従業員が自社株を一定の価格で買い取ることのできる権利を指す。購入金額は権利が生じた時の時価かそれより低い価格に設定されることから、株価上昇で資産価値上昇が見込まれるため、現金賞与に代わる成功報酬制度として認識されている。

権利行使には一定期間を要するものの、株価上昇とともに値上がり益が期待できることから、役員や従業員の業績向上への意欲を高めるのが狙いとなっている。ストップオプションを実施するということは経営側が株価の先行きを強気に見ているともいえ、発表した後の株価に注目しておきたい。

【ティック】:てぃっく

英訳の「tick」から「瞬間」や時計の「ティックタック」など、刻々を意味することから、金融業界では値動きの最小単位を指すことが多い。

値動きの最小幅を「1ティック」とするほか、約定ごとにチャートに描画する「ティックチャート」など、主に小刻みな値動きを把握する際に用いられる。古くは株式相場の値動きを受信する装置を「ティッカー」と呼び、値動きの把握に用いられた経緯があるほか、日計り商いの普及やアルゴリズム取引の本格化など、瞬間的な商いが可能となった近年でも活用されている。

【ピップ】:ぴっぷ

前回紹介した「ティック」が値動きの最小単位を指していたように、今回の「ピップ」も英訳の「Pip」から種子や点など僅かな存在を意味し、外国為替取引(FX)分野での最小値幅単位を指す。

通貨ペアによって異なるものの、概ねドル円では0.01円など小数点以下2位の値動きとなる。「Pip」の複数形で「Pips(ピップス)」として値幅を示し、変動幅やトレードで得た値幅を意味することもある。

【CME】:しーえむいー

「Chicago Mercantile Exchange」の頭文字を略したもので、シカゴマーカンタイル取引所を指す。米国最大の先物取引所で、主に金利・株価指数・外国為替の金融先物取引や農業品や原油など商品先物取引と各オプション市場を提供している。

日本市場との関係性では、シカゴ日経平均先物の推移が注視されているほか、米国株価指数先物や原油先物の変動が話題に上りやすい。シカゴ終値や原油相場の動向を注目したい。

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