株式用語辞典

【優先株】:ゆうせんかぶ

上場銘柄として通常売買される「普通株」に対し、配当金や残余資産を優先的に受け取ることができる株式を指す。文字通りの「優先」権利が発生するが、その代わりに株主総会での議決権制限などを付されるケースが多い。

業績不振に陥った企業が、経営再建を目指す場合に支援企業や政府などに優先株を発行、売却して自己資本充実に努める例が多い。ただ、発行条件によっては経営参画可能な普通株式への転換条件が付けられているものもあり、発行条件を確認しておく必要もある。上場証券として一般投資家でも売買できるのは伊藤園第一種優先<25935>など、株式厚遇を意図した証券もある。

【つなぎ売り】:つなぎうり

現物株式を保有したまま、信用取引で空売りすることを指す。中長期では上昇期待のあるものが、全体相場がさえないときなど、短期的には急速に値下がりが見込まれる状況で仕掛けることが多い。

また、期末の権利取りに際し、株主優待目当ての取引として行われることが多い。優待権利は現物株式保有で発生し、権利落ちでは配当分の下落が見込まれるが、現物保有の配当と空売りの配当相当額支払いで配当分の権利落ち下落を差し引き、優待権利のみを取得できる。ただ、逆日歩などの空売り特有のコストに注意が必要となる。

【値頃】:ねごろ

「値の頃合い」として、取引参加者が売買に動きやすい株価水準を指す。売買の触手が伸びた結果、株価上昇要因を「値頃妙味」や「値頃感」などとされ、意識付けられることも多い。

例えば、過去に100円で取引され、一時期には120円まで上昇したが、再び100円にまで戻った場合には値頃感が漂う。具体的な基準はないが、株価指標などで指摘されることもある。

【のれん】:のれん

店先に出す「暖簾」に因んで、企業のブランドやノウハウ、顧客支持や従業員など固定資産として表せない「無形固定資産」を指す。この「無形固定資産」を持つ企業を買収した場合には、買収金額に「のれん代」を上乗せして支払うケースが多い。

のれん取得企業は、買収会計上の支払いと受け取りが同一となるため、のれん代を一定期間で償却することとなるが、買収後にのれん代が連結調整勘定がマイナスとなる場合には、利益として「負ののれん」を計上できる。会計上の損益計算では利益を計上することとなるが、実際のキャッシュフローには反映されず、企業評価において注意が必要となる。

【狼狽売り】:ろうばいうり

文字通り「投資家が狼狽」した状態での売り行動を指す。大規模な震災発生時など、下落銘柄が相次ぎ、先行き不透明感が強い状況での売りが該当するほか、とくに目立った材料なく下落した銘柄に対し、冷静な判断を欠いた投資家の投げ売りも含まれる。

とくに長期投資など長い時間軸で手掛けていたものを短期的な下落で手放すケースも見られ、一時的な判断で投資対象の保有期間を変更してしまう状況が該当。狼狽売りを避けるためには、常に冷静な判断で投資戦略を構築する必要がある。

【飛びつき買い】:とびつきかい

株価上昇の勢いとともに思わず買いを入れてしまう投資行動を指す。投資家は株価が上昇していくと「このまま騰がり続ける」と衝動的に判断、冷静な判断力を失い、詳しい根拠を判断しないまま買いを入れやすい。前回紹介した「狼狽売り」の買いスタンスとなる。

「買いが買いを呼ぶ展開」の一種で、騰勢を強めている銘柄の上昇最終段階でよく確認される。「飛びつき買い」を避けるためには、冷静な判断力と同時に事前のトレードプラン構築が欠かせない。

【キャリートレード】:きゃりーとれーど

低金利通貨で資金調達を行い、高金利通貨で運用するなど、金利差に着目し利ザヤ獲得を目指す取引を指す。FXなどで高金利通貨と低金利通貨のスワップ獲得を狙ったトレードも含まれる。

とくに低金利通貨の円売り、高金利通貨買いとする「円キャリートレード」が知られる。ただ、このポジションが修正する「リスク退避」の動きが強まると、積み重なったキャリートレードの「巻き戻し」が発生。円の買い戻しとともに「円高」が進むことが多い。

【ボラティリティ】:ぼらてぃりてぃ

英単語「Volatility」の意味通りに価格の変動性や変動率を指す。ボラティリティが「大きい」とは価格変動性の大きさを示し、市場関係者の間では「ボラ」など短縮して使われることもある。

ボラティリティが大きいと期待収益率も高まるが、リスクの度合いも高まる。短い期間で価格のサヤを取る短期投資はボラティリティの大きい投資対象が適しているが、長期投資では収益の安定性につながらず、不向きとされる。

【往って来い】:いってこい

株価が値上がり(値下がり)したあと、急速に値を戻してくることを指す。相場用語としては、1日のなかでの動きで使われることが多い。

一定方向に振れていた参加者心理がピークアウトし、需給逆転が確認されたときに発生する。ただ、結局は元の水準に戻ることで、心理面ではイーブンの状況。先行きは見極め難く、発生後の株価の見通しは時間軸を伸ばして考えたい。

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