株式用語辞典

【エコノミスト】:えこのみすと

経済系の週刊新聞や雑誌の名称にも使われるが、金融業界では主にマクロ経済に関する調査を担当する専門職を指す。経済学者や経済評論家を紹介する際にも用いられることがある。

調査機関所属のエコノミストは、重要な経済指標の発表タイミングなどで前回紹介のストラテジストやファンドマネージャーに対して経済環境の判断材料となるレポートを作成し提出する。業界調査や企業分析を担うアナリストに比べ、所属人数は少数であることが多い。経済指標発表時はエコノミストの見解も参考にしたい。

【あや戻し】:あやもどし

下落トレンドにあった銘柄や相場が一時的に浮上することを指す。売り方の利益確定の買い戻しや値頃妙味で買いが入る局面で用いられる。明確な理由があれば「リバウンド」と判断されるが、理由がなければ「あや戻し」と解釈されることが多い。

英訳にも「Technical rally」として存在。海外相場にも「あや戻し」と位置付けられる傾向があるようだ。

【グロース投資】:ぐろーすとうし

英訳「growth」の意味する「成長」に重点を置いた投資スタイルを指す。投資信託の種類やヘッジファンドの戦略において用いられ、企業の利益成長性とともに発展の見込まれる株式時価総額に着目して投資対象を選別する「成長株投資」と位置付けられる。

上場前の企業への資本参加を手掛けるベンチャーキャピタルとの違いは、既上場銘柄を対象とする点で、情報開示が強化された上場以降の投資にはコンプライアンスリスクが押さえられる利点がある。個人投資家が手掛ける際には、企業の業績変化やIRリリースなどを入念に調査したい。

【ベンチャーキャピタル】:べんちゃーきゃぴたる

上場前の新興企業投資を中心に手掛ける金融機関を指す。大手金融機関が新規投資のみを行うための特別目的会社(SPC)や機関投資家から投資資金を集め、上場前特化のヘッジファンド業態として運営されるケースもある。

新興企業の将来性を評価して、増資引き受けの形で資金面のサポートを行う一方で、株式公開を果たした際の売り出しなどが収益源となっている。新規公開株(IPO)投資を手掛ける際には、株主欄をチェックして、ベンチャーキャピタルの利益確定による売り圧力を考慮しておきたい。

【ロックアップ】:ろっくあっぷ

株式公開時において、会社役員・大株主・ベンチャーキャピタルなど、株式公開前からの保有株主が公開後の一定期間、市場での株式売却できないよう公開前に予め保有維持契約を交わす制度を指す。

ロックアップが設けられることによって、既存株主の売り圧力による「値崩れ」が防げるほか、株式取得を目論む投資家もインサイダー売りを警戒せずに購入できるメリットがある。ただ、IPO案件によってロックアップ内容が異なるため、IPO投資を手掛ける際には、予めロックアップ内容を確認しながら手掛けたい。

【催促相場】:さいそくそうば

物事を早くするように促す「催促」の意味通りに、材料表面化待ちの相場を指す。全体観では、相場に影響を与える市場介入観測など、金融政策実施前の状況が該当するほか、個別銘柄では、新製品開発や他社との提携、好業績や増配などが事前の観測報道で伝わるなか、発表待ちの局面を指すことが多い。

株価の反応としては、発表が待たれるなかで、事前には発表後に期待される変動を織り込みつつ、発表後には材料表面化の安心感が加わることが多い。ただ、市場参加者の催促が強ければ強いほど、先回りの動きになりやすく、材料表面化後には出尽くし感も高まりやすい。

【リスク許容量】:りすくきょようりょう

個人投資家や機関投資家の投資額から許容できるリスクの分量を指す。許容できる度合いとしては「リスク許容度」が用いられる。

リスク=リターンの考え方から、リターンを求める場合には相応のリスクも伴うが、リスク許容量を高く設定すれば、リターンを高めることも可能となる。ただし、安定的な投資収益を求めるならば、リスク許容量をなるべく押さえなければならない。一度の取引やポートフォリオ全体などによっても許容量は変わってくるが、一般的には投資資産の数%程度、投資額における1割未満が望ましい。

【ブレイクアウト】:ぶれいくあうと

英訳「Break Out」の意味でもある「脱出」「強行突破」を株価の動きとして捉えたもの。抵抗ラインを突破したときに起こる需給の傾きにより、多くのケースではブレイクした方向に株価が大きく動きやすい。

抵抗ラインは直近の高値、安値や移動平均線などが該当、とくに年初来高値や上場来高値を上抜けた際に見られる「噴き上げ」もブレイクアウトとされる。このブレイクアウトを狙った「ブレイクアウト手法」は順張りスタンスの基本戦略として用いられることが多い。

【手掛り難】:てがかりなん

物色の手掛かりを欠く「材料不足」の状況を指す。相場全体を指す場合や個別銘柄に対しても用いられる。

相場全体を指す場合には、株価指数がもみあいで方向性を欠き、投資資金が時価総額上位の中核銘柄よりも材料性のある個別銘柄や需給妙味の強い銘柄などに向かうことが多い。個別銘柄に用いる場合には、決算など材料性も見込めず、先行きが見極めにくいなか、株価も小康状態にあるケースが多い。

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