初めての株式投資

第36回投資の時間軸について

前回ではテクニカル指標のうち「チャネルライン」を紹介しましたが、今回では「投資の時間軸」を解説したいと思います。

これまでは証券会社の口座開設方法や株式投資に欠かせない基本用語、「分析手法」となる「テクニカル指標」「株価指標」を取り上げてきましたが、目的に応じた投資スタンスの確立も重要なポイントとなります。

テクニカル指標のチャート表示では、分足、日足、週足、月足などが選べますが、これらは短期投資から長期投資まで幅広くサポートするものです。配当利回りや株価の割安・割高を示す株価指標などは、長期投資では重要視されますが、短期投資では材料視されることは少ないでしょう。

株式投資を行うに当たっては、予め株式を保有する期間を想定しておきたいものです。保有を開始する「購入時」には、短期的な上昇を狙うのか、それとも配当収入を含めた長期的な保有を行うのか、銘柄選びや投資家の生活スタイルに応じたプラン作りが必要不可欠でしょう。

闇雲に買った、売ったを繰り返しても取引手数料が嵩むだけで、資産運用にはつながりません。また、性格や年齢などに適した時間軸も投資家によって違いが出てくるでしょう。若者ならともかく、かなりの高齢の方が数十年先の長期投資を行うには、安定した配当収入や後継者への遺産相続などを意識しない限り、適してはいないのではないでしょうか。

次回は「長期投資」について解説します。お楽しみに!

第37回長期投資について

前回では「投資の時間軸」を解説しましたが、今回では長めの投資時間軸となる「長期投資」について紹介したいと思います。

「長期投資」とは、文字通り「長期間」の株式保有を目的とした投資行動となります。手数料の発生する頻繁な売買を控えて、成長性や安定配当などに魅力がある銘柄を保有し、大きなリターンを期待するものです。

以前に「今週の気になる株式キーワード」で取り上げた「バイ・アンド・ホールド」が長期投資の手法となります。企業の収益成長や事業拡大とともに株価水準も高まっていくため、株式配当(分割)や配当の利益還元を長期間保有することによって「複利効果」を期待するものです。

キーワード紹介と重複しますが、トヨタ<7203>や松下電産(パナソニック)<6752>、新興企業ではヤフー<4689>の長期保有で財を成した成功談が有名です。海外の著名投資家でもあるウォーレン・バフェット、ベンジャミン・グレアム、ジョン・テンプルトンら長期投資家の成功事例があります。

長期保有を目的とするため、割安株投資との好相性が知られます。逆張り視点で「弱気相場」の終了期の買いがタイミングとなりますが、時代の変化とともに需要減少や競争激化を余儀なくされることも多く、長期的に生き残ることができる企業を選らばなければいけません。

ただ、これは永年保有を目指したものですから、長期の上昇トレンドが終焉し、今後は株価下落が予想される場合、すでに大きな含み益が発生していれば手放してしまっても構いません。また、経済などの景気サイクルや長期的なインフレ予測を参考にしたいものです。

例えば、1980年代後半からのバブル相場で保有を開始した場合、未だ当時の株価水準を奪回していない銘柄も多く、損切りや利益確定の判断を間違えれば「塩漬け」にもなりかねません。

「長期投資だから…」という理由で「株価下落や一時的な業績不振に目を瞑る」のではなく、常に企業業績や経済情勢の情報収集を怠らないようにしたいものです。

次回は「短期投資」について解説します。お楽しみに!

第38回短期投資について

前回では長めの投資時間軸となる「長期投資」を紹介しましたが、今回では短めの投資時間軸となる「短期投資」について解説したいと思います。

「短期投資」とは、文字通り株式保有を「短期間」に絞った投資行動となります。一日で売買を決済する「デイトレード(日計り商い)」や数日間の値動きを掴む「スイングトレード」が「短期投資」の範疇でしょう。

株式売買には損失が付きものです。ですから、基本的には損失の発生した売買は早期に見切りを付け、利益の発生した取引については、なるべく利益を伸ばす「損小利大」を目指すものとなります。

しかしながら、短期投資には時間的な「区切り」があるため、勝率がより重要となります。利益確定と損切りの値幅を同一とした場合、勝率が5割を上回ることができれば資産増加に結びつくでしょう。

また、短期間の保有に徹すれば、値動きのパターンなどを判断して直観的な商いも経験を積めば可能になります。トレンドやサイクルも短期間で発生することも多く、テクニカル指標を活用した売買判断も勝率アップにつながります。

細かい利ザヤを積み重ねて、投資資金を高めていくこととなりますが、ベースとなるのが長期投資と同じく「複利効果」です。投資資金が増えれば、一回当たりの売買量も増え、一回当たりの利益も増えていく仕組みです。

ただ、ネックとなるのが売買手数料です。手数料をカバーするためにも勝率や「損小利大」に徹するための売買ルール作りが必要となるでしょう。

次回は「デイトレード」について詳しく解説します。お楽しみに!

第39回デイトレードについて

前回では短めの投資時間軸となる「短期投資」を解説しましたが、今回は「短期投資」における「デイトレード」について紹介したいと思います。

「デイトレード」とは、一日で売買を決済する投資スタンスになります。TVの情報番組などで「専業デイトレーダー」が紹介されたこともあり、複数枚の
ディスプレイを前に板情報を見ながらテンキーを忙しく叩く姿の印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

実のところ、デイトレードは「日計り商い」とも呼ばれ、昔から証券会社の店頭でも行われてきた投資行動です。ただ、売買手数料自由化前では、売買の度に手数料が嵩むため、日計り商いを行うのは証券会社のトレーダーやディーラーが中心でした。

手数料自由化によって個人投資家でも「デイトレード」が可能となりましたが、日中の値動きは自ずと限られるため、一回の取引で大きな利益を狙うのではなく、細かく利益を積み重ねていくのが主な取引スタンスとなります。

また、資金量が必要とされるほか、ネックとなる売買手数料をカバーするためにも「損小利大」のトレード方針や安定した勝率も欠かせません。テクニカル指標や値動きのパターン、相場の方向性などを読む経験や決算など情報を瞬時に分析して素早く取り付くなど、瞬間的な判断力も重要でしょう。

次回は「スイングトレード」について詳しく解説します。お楽しみに!

第40回スイングトレードについて

前回では「短期投資」における「デイトレード」について紹介しましたが、今回は「短期投資」における「スイングトレード」について解説したいと思いま
す。

「スイングトレード」とは、数日間で売買を済ませてしまう短期売買のトレード方法を指すのが一般的です。「スイング」は英語の「Swing」に通じ、訳にもある「振れ」を捉える様子を指したものと言えます。

デイトレードと同じく短期間での売買を目的としていますから、企業実態を見る「ファンダメンタルズ」よりも、チャートを見る「テクニカル」を重視する
トレーダーが多いのではないでしょうか。

また、短期的なトレンドに乗る「順張り」は、トレンドを計るテクニカル指標が効きますし、短期的な売られ過ぎや買われ過ぎに向かう「逆張り」もオシレ
ーター指標が有効性を発揮します。これは個々のタイプに合ったものを選びたいところです。

さらに、材料発表の短期人気化に乗る手法や決算発表前の期待感を先取りする手法が知られています。となると、企業実態を見る「ファンダメンタルズ」とは無縁ではないですが、企業業績の把握よりも、むしろ市場の反応を先読みする力が求められるでしょう。

とくに有効なのは、悪材料が出た銘柄の「空売り」が知られます。内容を吟味せずに「パニック的な売り」が殺到する傾向もあり、需給先行で売り込まれるケースが多いからでしょうか。上げよりも「下げが早い」性質を捉えたものと言えます。

難点としては、デイトレードは違って翌日への「持ち越し」を行うことから、米国市場や為替相場の影響が避けられない点でしょうか。米国市場の方向性なども踏まえて臨むべきでしょう。

デイトレードと同じく、細かく利益を積み重ねていくのが主な取引スタンスとなりますが、勝率よりも「損小利大」のトレード方針が重要視されます。思惑と反対方向に動きたら即損切りする決断力、利益確定を伸ばす「辛抱強さ」も必要となるでしょう。

次回は「スキャルピング」について詳しく解説します。お楽しみに!

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