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第1回ネット株 証券会社の選び方
株の取引には「証券口座」が欠かせませんが、今はインターネットで取引が行える『オンライントレード』が主流となっています。
現在、ネット証券はSBI証券、松井証券、楽天証券、カブドットコム証券、マネックス証券の大手5社を先導役に、中堅系証券会社が続いている状況です。
以下に取引タイプ別に適した証券会社を紹介します。
手数料を安価に設定している中堅証券も多いのですが、手数料で選ぶなら業界最大手のSBI証券を選ぶのがベストではないでしょうか。堅牢な取引システムに優位性があるほか、国内株式は現物・信用取引、単位未満株取引に債券、投信、外国株や先物オプション、FX、CFDなど豊富な品揃えは同業他社を圧倒しています。
専業トレーダーを志すならば、トレードツール「マーケットスピード」に定評がある楽天証券の口座開設が望ましいでしょう。ツール上での迅速な発注機能があり、瞬間的な売買チャンスを逃しません。「業界最安値」の看板はSBI証券に譲りますが、SBI証券との手数料競争に挑む同証券も「業界最安値水準」にあるのは間違いないでしょう。
定額手数料を設定し、多くのデイトレーダーの支持を集める松井証券もぜひ用いたいところ。高水準の取引ツールも備わっており、SBI証券、楽天証券からの重複顧客も多く、他社にシステム障害が発生した場合の「保険目的」としての利用価値もあります。
ザラ場中の値動きを監視できないサラリーマンなら、カブドットコム証券を選びたいところです。高値・安値に合わせてリアルタイムで逆指値を自動修正する自動売買機能「トレール注文」や利益確定の指値注文と同時に逆指値でのロスカット注文も合わせて設定できる「W指値」など自動売買機能が豊富で、寄り付き前と終値のみの把握で投資運用が可能となります。
第2回ネット株 オススメの証券会社は?
前回では、大手ネット証券各社のSBI証券、松井証券、楽天証券、カブドットコム証券の4社の特徴をお伝えしました。
取引タイプ別に、手数料・商品構成ならSBI証券、トレードツールなら楽天証券、安定性なら業界最古参の松井証券、自動売買機能ならカブドットコム証券と、それぞれ特徴があります。
今回は、口座開設の特典などを紹介したいと思います。まだ、証券取引未経験の方や、具体的な取引タイプが確立されていない投資家の方なら、まずは口座開設「キャンペーン」や「サービス」を選択基準としてもいいでしょう。
「実利」で選ぶなら、楽天証券がオススメです。現在、最大12,200ポイントが獲得できる口座開設キャンペーンを実施しています。ポイントは、グループの楽天市場で使えるほか、「JALマイレージバンク」に交換することもでき、お得なサービスと言えるでしょう。
SBI証券では、「ありがトンmini」ポイントの付与や、ツール無料、投資情報の無料期間が設けられていますが、最大の特徴は、同証券の支店及び金融商品仲介業者の一部店舗での「即時口座開設」を可能にしている点です。口座開設日当日より株式注文も可能で、「思い立ったら即行動」ができるのが最大の強みでしょう。
松井証券では、ネット取引初心者を対象に「オンライントレード基本操作レッスン」を行っています。自宅に直接スタッフが来てくれて、松井証券画面の基本操作方法を案内してもらえることもあり、株の知識はあるけどパソコン操作が苦手な方などは非常に頼れるサービスではないでしょうか。
カブドットコム証券では、「無料お試し口座」の開設ができます。資料請求と同時に、ネット上で手続きが完結するので簡単です。「マーケット情報」をはじめとする投資情報サービスを15日間無料で体験できるので、パソコン操作に慣れ、オンライントレードに興味が出てきた方が、ネット取引の感覚を掴むのに最適ではないでしょうか。
第3回ネット株 証券口座の開設方法
前回では、大手ネット証券各社の口座開設特典を紹介しました。今回は、証券口座の開設方法をお伝えしたいと思います。
ネット証券の多くは、その名の通りインターネット上で口座開設の申し込みが行えます。詳しくは各証券会社のホームページに設けられた「口座開設の手順」などを参考にするといいでしょう。
ネット証券のホームページには、比較的見やすい位置に新規口座開設の案内があります。案内ページに進むと、予め「お申し込みフォーム」が用意されており、それぞれ個人情報を入力。数日後には、入力した住所に「口座開設申込書」が届きます。
送られてきた「口座開設申込書」には、すでにインターネット上で入力した最低限の個人情報が印字されていますから、残された箇所に押印、他の必要事項を明記し、運転免許書のコピーなど「本人確認書類」を添えて返信用封筒で証券会社に返送します。
証券会社による数日間の審査、口座開設に伴うシステム作業を終えたのちに口座開設が完了。証券会社から「口座開設手続完了の案内」が手元に届きます。
「口座開設手続完了の案内」には、口座のIDやパスワードなどが設定された文書が用意されていますから、ネット証券のログインページに進み、記載された内容を入力して利用が可能になります。
以上が口座開設の大まかな手順となりますが、郵送のやり取りを含めますので、早くても数日から数週間の時間を要します。理由としては、本人確認の徹底が行われているためで、マネーロンダリングなど犯罪行為を防ぐ狙いがあるほか、課税要因や株主として身元を明らかに必要があるため、時間を要するのは致し方ないと言えます。
「すぐにでも取引を開始したい」という方は、対面窓口のあるSBI証券の支店を利用される方法がベストでしょうか。関係書類を予め用意しておけば、「即時口座開設」が行えます。
また、対面型営業を主力とする証券会社に出向く方法もあります。対面型営業を主力とする野村證券や大和証券などの大手証券も「ホームトレード」のサービスを行っているので、インターネット取引が可能。取引手数料はやや割高ですが、証券外務員のアドバイスが得られる利点もあります。
第4回ネット株 証券口座の種類
前回では、証券口座の開設方法をお伝えしました。今回は証券口座の種類について紹介したいと思います。
証券口座には、主に「特定口座」と「一般口座」の2種類があり、大きな違いは、納税手続きの負担に関わるものです。
上場株式や投資信託売却に伴う利益(譲渡益)や配当・分配金は、当然ながら課税対象となります。原則として、他の所得と分離して税額を計算する「申告分離課税」による「確定申告が必要」となります。
一般口座は、投資家自らが年間の売買損益を計算し、確定申告を行わなければなりませんが、特定口座には、確定申告をしなくてもいい「源泉徴収あり」と、確定申告が必要な「源泉徴収なし」を選べる利点があります。
なぜ、「特定口座(源泉徴収あり)」には確定申告の必要がないかと言うと、利益が出れば証券会社が自動的に課税分を引き、損失が出たら税額分を自動還付してくれるためです。証券会社が「投資家に代わって納税し、税務署に申告している」と思ってください。
普段から確定申告を行っておらず、「申告は面倒だ」という給与所得者のサラリーマンの方や、主婦の方や投資初心者の方などは「特定口座(源泉徴収あり)」の選択をオススメします。
また、複数の証券会社の口座を持っている場合には、「特定口座(源泉徴収なし)」の選択が有効でしょう。特定口座では、証券会社が年間取引報告書を作成してくれるので、他の証券会社との損益を通算し、確定申告を簡易に済ますことができます。
さらに、信用取引を行うためには、別途「信用取引口座」の開設が必要となります。信用取引については、次回で紹介したいと思います。
第5回ネット株 信用取引について
今回は前回で予告したとおり、「信用取引」が可能な信用取引口座について紹介したいと思います。
まず、「信用取引」について解説すると、信用取引とは顧客が委託保証金を証券会社に担保として預託し、買付資金や売付証券を借りて売買を行い、所定の期限内に反対売買または現引き・現渡しの方法により弁済する取引を言います。
難しい言葉が並びましたが、要するに「証券会社からお金を借りて売買する取引」として認識してください。
お金を借りて取引を行いますから、「手元の資金より大きな金額での売買」が可能になるのが最大のメリットと言えます。
しかし、信用取引口座の開設には信用取引に関する知識や投資経験を問う審査が必要となりますし、証券会社が設けた最低限度の委託保証金を口座に差し入れなければなりません。この委託保証金は、お金を借りる際の「担保」だと認識すればわかりやすいと思います。
よく「信用取引は怖い」などと言われますが、この仕組みを理解せずに信用取引を行った方が過大なリスクを取って大損し、この手の話が伝わったのだと思います。仕組みを理解して取引を行えば投資効率を高めることができるため、「怖い」という理由だけで信用取引口座の開設を控えているのは「もったいない」と思います。
信用取引には、現物取引と同様に株式を購入する「信用買い」だけでなく、通称「空売り」と呼ばれ、保有株がなくても売りから取引を行える「信用売り」も可能です。取引の幅は大きく広がりますから、積極的な資産運用を目指す方は、ぜひ学んでいただきたい取引です。
ただ、やはりここで記した内容だけで、信用取引について「わかったつもり」になられても困るので、信用取引をこれから開始しようと思われた方は、まず取引実績のある証券会社のホームページなどで「信用取引」についてよく学んでください。東証ホームページの「信用取引のしくみ」などにも解説が載っています。