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第6回証券取引所について
前回まで、株式投資に必要不可欠な証券口座について紹介してきましたが、今回からは実際行われる「取引」についてお伝えしたいと思います。まずは、実際に証券取引が行われる「証券取引所」を簡単に説明します。
日本最大の証券取引所は中央区日本橋兜町にある東京証券取引所です。略されて「東証」と呼ばれ、株式関連ニュースなどでも東証外観の映像がよく流れるのでご存じの方も多いと思います。
「東証」に次ぐ規模では、「大証」こと大阪証券取引所が存在します。大証では、株価指数先物やオプション取引などのデリバティブ取引が盛んに行われています。
また、新興市場としては、「ジャスダック証券取引所」、東証の新興市場部として位置付けている「東証マザーズ」、大証の新興市場部として「大証ヘラクレス」などが存在します。ちなみに、ジャスダック取引所の大株主は大証で、来年(2010年)10月にはジャスダックとヘラクレスの市場統合を行う方針となっています。
地方の証券取引所としては、「名証」こと名古屋証券取引所、「福証」こと福岡証券取引所、「札証」こと札幌証券取引所があり、それぞれ新興市場が設けられるなど、地方産業と結びつきながら発展を目指しています。
よく「あの会社は東証1部上場企業だから…」などと聞かれることが多いですが、「1部」や「2部」とは市場区分によって分けられたもので、当然「1部」のほうが事業規模が大きく、日本を代表する企業が多く集まっています。成長企業は、2部やマザーズ市場で力を蓄え、時価総額などの東証が設けた上場基準をクリアすれば、「東証1部」への上場が果たせるわけです。
これから取引を開始される方は、知名度や経営安定性の高い「東証1部所属銘柄」での取引をオススメします。取引時間や取引方法などは次回で紹介します。
お楽しみに!
第7回取引時間について
前回は「証券取引所」を紹介しましたが、今回は「取引時間」について説明したいと思います。
証券取引が行われるのは、土曜日・日曜日・祝日を除いた「平日のみ」です。俗に言われる「カレンダー通り」と覚えていただければ簡単ではないでしょうか。年末年始は12月31日~1月3日が全面休場となります。
年の初めとなる1月4日を「大発会」、年の終わりとなる12月30日の取引を「大納会」と呼ばれています。昨年の「大発会」までは午前だけの半日取引でしたが、昨年の「大納会」から新取引システム稼働のため終日取引となりました。
かつて、1989年1月までは土曜日(第2土曜日は全面休場)にも前場のみ半日取引が行われていました。土曜日取引のない現在では、月ごとの営業日数は20日前後ですが、テクニカル指標で使われる「25日移動平均線」などは営業日数が土曜日を含めた25日前後あったときの名残りとも言われています。
取引時間は証券取引所によって多少の違いはありますが、東証では午前9時から11時、午後は12時半から15時まで取引が行われています。取引の行われる時間のことを「立会時間」や「ザラ場」とも呼ばれ、午前の取引を「前場(ぜんば)」、午後の取引を「後場(ごば)」と呼びます。
麻生前首相が「前場」を「まえば」と呼ぶなど、漢字の読み間違いが話題となりましたが、相場用語には遊郭などで使われていたものも多く、一般の方に馴染みがない言葉が多く存在します。読み間違えたからといって、全く恥じることはないでしょう。
注文受付時間は、取引される証券会社によって異なります。詳しくは証券会社のホームページで確かめてみてください。
次回は「株価」について解説します。お楽しみに!
第8回株価について
前回は「取引所の休場日など取引時間」を紹介しましたが、今回は「株価」について詳しく解説したいと思います。
一般的に株価といえば、その日の「終値」を指すことが多く、一般紙の新聞朝刊などでは前日株価の終値が掲載されています。
経済報道を中心とする「日本経済新聞」では、始値(はじめね)、高値(たかね)、安値(やすね)、終値(おわりね)の4つの値段が掲載されています。これら4つの値段のことを「四本値(よんほんね)」と言います。
始値とは「その日最初に取引された値段」。高値は「その日取引された中で最も高い値段」。安値は「その日取引された中で最も低い値段」。終値は「その日最後に取引された値段」をそれぞれ指しています。ほぼ文字通りの意味ですから、初心者の方でも理解しやすいと思います。
新聞紙面での株価欄(通称:相場欄)では、概ね左側から始値、高値、安値、終値の順番で掲載されているはずです。一日の相場の流れを把握するのに役立つので、保有株の四本値は毎日確認したいところです。
また、ニュースなどで「●●株が昨年来高値を更新した」と聞かれたことも多いと思います。この「昨年来高値(安値)」とは、昨年1月以降最も高い(安い)株価のことで、1月から3月の期間内で使います。その高値・安値を上回った(下回った)場合に高値更新・安値更新と言います。
また、4月から12月の期間では、その年の1月以降につけた最も高い(安い)株価を「年初来高値(安値)」として使います。
さらに、その銘柄が新規上場して以降の最高値、最安値のことを「上場来高値」「上場来安値」とも言います。この値段を抜けてくると、株価が「新値(しんね)」を付けたことになり、「非常に強い(弱い)相場に突入した」と判断していいかもしれません。
次回は「売買注文」について解説します。お楽しみに!
第9回売買注文について・前編
前回は「株価」について解説しましたが、今回は次回までの2回にわたって「売買注文」について紹介したいと思います。
一般的な現物取引としては、株式を取得すべく「買い注文」から始めることとなるでしょう。その場合の「買い注文」には、「買いたい値段」を指定する「指値(さしね)」注文と買いたい値段にこだわらない「成行(なりゆき)」注文の2種類があります。
「指値注文」は、「買いたい値段」を指定するわけですから、必然的に現在の値段となる「現在値」よりも安い価格を指定することとなります。また、前回で紹介したような年初来高値抜け「新値抜け」での買い戦略を採用する場合には、「現在値よりも高い価格で買いたい」という「ストップロス注文」を採用することとなります。
この「ストップロス注文」は自動売買の一環として用いられるもので、カブドットコム証券が「特許」を有しています。証券会社によって、使えない場合もありますので、現在取引されている証券会社の注文方法を予め調べておきましょう。
次回は「売買注文」についてより詳しく解説します。お楽しみに!
第10回売買注文について・後編
今回は前回から引き続き、「売買注文」について詳しく解説したいと思います。
前回では「成行注文」や「指値注文」を紹介しましたが、ストップロスを含む「指値注文」には、注文期限を設定できる方法もあります。多くは「本日中」「今週中」などですが、場中の値動きを見れない方やスイングトレーダーの方には必携の注文方法ですから、マスターしておきたいものです。
さて、証券会社が顧客となる投資家からの注文を執行すると、立ち会い時間中の「成行注文」では、板情報と呼ばれる指値注文の集まった価格の最良値で「約定(取引成立)」します。買い注文の場合、売りの指値注文で出されていた「もっとも安い価格」で取得できるわけです。
また、その価格の指値注文が複数あった場合には、一番早く執行していた注文に対して約定します。板情報を見れば、大型株などでは膨大な指値注文が集まりますし、同値での売買執行を先んじるには早い注文判断も必要となります。
証券会社によっては、注文が執行されるタイミングも指定できるようです。始値での決済を目的とした「寄付(よりつき)注文」、終値での決済を目的とした「引け注文」、引けまでは指値注文として執行されるものの、約定されなかった場合に引け注文へと移行する「不成(ふなり)注文」などがあります。
「寄付注文」と「引け注文」を組み合わせれば、一日で取引を終えるデイトレードも可能となります。
次回は「単元株」について解説します。お楽しみに!