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第91回タイムカットについて
前回では「マネーマネジメント」について解説しましたが、今回は「タイムカット」について紹介します。
前回取り上げた「マネーマネジメント」では、リスク許容量に応じて利益確定、ロスカットの割合を決め、資産レベルでリスク・リターンを管理する必要性を解説しました。
安定して投資収益を上げていくためには、値下がりした銘柄はロスカットして仕切り、値上がり可能性の高い他の銘柄に乗り換えるなど、資金効率を意識した投資運用の必要性も説きましたが、今回紹介する「タイムカット」も資金効率を踏まえた取引判断となります。
「タイムカット」とは、投資関連でのみ見かける相場用語ですし、一般的にはあまり馴染みがない言葉ではないでしょうか。意味合いとしては、損失に応じて仕切る「ロス」カットに対して「時間(タイム)切れ(カット)」として仕切る取引判断となります。
もちろん、値上がり可能性の高い銘柄を購入し、そのまま目標株価に達して利益確定できるのが理想的ですが、想定通りの値上がりがなく、損失発生による「ロスカット」にも至らず、銘柄を保有したまま方向感を見い出せない状況にも遭遇したことがあるかもしれません。
このような状況では、資金効率を追求するならば、方向感を見い出せない銘柄から、他の値上がり可能性の高い銘柄に乗り換えるべきでしょう。そして、エントリー前からタイムカットの基準となる保有日数を予め決めておけば、タイムカットの判断も下しやすくなります。
第87回「銘柄アプローチについて」から、独自に調査を行っている証券会社や投資顧問会社の推奨銘柄を参考に、具体的な推奨理由、目標株価、ロスカット設定のある情報を手掛かりに売買を行うのが望ましいとお伝えしてきました。
これらの情報に加え、具体的な保有期間を設けている銘柄情報には、投資運用の時間軸も把握でき、安定した投資収益も見込めます。できれば、保有期間の目安を設定している銘柄情報を参考にしたいものです。
次回は「推奨サイン」について解説します。お楽しみに!
第92回推奨サインについて
前回では「タイムカット」について解説しましたが、今回は「推奨サイン」を紹介します。
第87回の「銘柄アプローチについて」から、証券会社や投資顧問会社などの推奨銘柄を参考に、具体的な推奨理由のある情報を手掛かりに売買を行うのが望ましいとお伝えしてきました。
前回の「タイムカット」や目標株価、ロスカット設定なども安定した投資収益を目指す上で欠かせない補足情報でしょう。
ただ、手掛かりとなる「具体的な推奨理由」も難解な企業業績や業界情報、株価指標が織り込まれた推奨情報ですし、投資初心者としてはなかなか理解し難い部分もあるのではないでしょうか。
このような場合には、推奨理由を簡潔にまとめた「推奨サイン」を参考にするのも手です。
例えば、好業績銘柄に対する今後の増額期待を示した推奨理由には、増額発表時の急騰が期待される「サプライズ」要素の推奨サインが適当ですし、テーマ物色に発展しているケースならば「テーマ」などが当て嵌ります。
もちろん、企業実態やテクニカル的に株価が下げ過ぎな場合には「売られ過ぎ」が簡潔な判断ですし、低位株や新興銘柄、IPOなどの循環物色に乗る場合には「短期急騰期待」が相応しいサインでしょう。
「推奨サイン」には、個別銘柄における今後の株価上昇イメージを意図したものや、地合い判断に即した投資対象、テーマが採用されるケースが多くなります。自分の投資スタイルに合った「推奨サイン」を見つけて、売買の手掛かりにしてみてはいかがでしょうか。
次回は「推奨サイン」における「短期推奨」について解説します。お楽しみに!
第93回推奨サインの短期推奨について
前回では「推奨サイン」について紹介しましたが、今回は「推奨サイン」のなかで「短期推奨」を解説します。
前回では、推奨情報を参考に売買を行う際、詳細な補足情報があることが望ましいものの、やはり「具体的な推奨理由」も難解な企業業績や業界情報、株価指標が織り込まれた情報ですし、投資初心者としてはなかなか理解し難い部分もあることから、推奨理由を簡潔にまとめた「推奨サイン」があれば売買判断を下しやすいことをお伝えしました。
今回では「推奨サイン」のなかで「短期推奨」を紹介します。
第91回「タイムカットについて」で推奨情報にも意図した銘柄保有期間があることをお伝えしましたが、サインの「短期推奨」には文字通り短期間での株価変動を見込んだ推奨意図があるのではないでしょうか。
会社側のリリースなど決算、報道など株価材料が表面化した銘柄の短期的な株価変動を捉えるのが狙いとなってきます。目標株価が一日で達成すればデイトレードにもなりますし、翌営業日など数営業日での目標達成を意識したものでしょう。
やはり、短期的な株価変動を狙っていくわけですから、瞬間的な売買判断が下せる方には適したサインとなります。半面、ザラ場中の株価監視などができない方や、瞬間的な売買判断が苦手な方にはあまり向きません。
もちろん、思惑通りの株価変動がない場合には、時間切れとしてタイムカットを行うべきです。株価変動を見極めつつ、迅速な撤退判断も必要となるでしょう。
次回も「推奨サイン」における「売られ過ぎ」について解説します。お楽しみに!
第94回推奨サインの短期推奨について
前回では「推奨サイン」のなかで「短期推奨」について解説しましたが、今回は「推奨サイン」のなかでも「売られ過ぎ」について紹介します。
前回の「短期推奨」には、文字通り短期間での株価変動を見込んだ推奨意図があり、数営業日での目標達成を意識した「推奨サイン」であることをお伝えしました。
今回の「売られ過ぎ」も、文字通り「売られ過ぎ」と判断した銘柄の反発局面を捉える狙いがあります。売られ過ぎと判断した銘柄を「さらに売る」わけにもいきませんし、基本的には「買い推奨」でしょう。
ただ、相場のトレンドに逆らって売買する投資手法となることから、以前の『今週の気になる株式キーワード』の「逆張り」でお伝えしたように、相場の基調変化を捉えるため、短期間で大きな利益を狙いやすい特徴があります。
この「売られ過ぎ」の判断要素となるのが、チャートを用いたテクニカル分析、株価指標などを用いたファンダメンタル分析が参考とされることが多いようです。手掛ける前にはどの点で「売られ過ぎ」ているのか、推奨理由を確認しておきましょう。下値メドがあり、一定の範囲内で上下動を繰り返す「サイクル」局面やボックス相場で効果を発揮しやすい推奨要因とも言えます。
また、リバウンドを捉える逆張り戦略には、短期間で大きな利益を狙いやすい半面、トレンドに流されて大きな損失を被る可能性があり、利益確定・損切りに対する早期判断が必要とされます。必ずロスカット設定を守りたいところです。
次回も「推奨サイン」における「新相場入り」について解説します。お楽しみに!
第95回米国市場との関係について
前回の当欄では2回に分けて「調査機関の投資判断」について解説するなど、主に個別銘柄の株価変動要因を紹介してきましたが、今回からは株式市場全体に影響を及ぼす変動要因を解説していきたいと思います。
まずは「米国市場の結果」から紹介しましょう。
寄り付き前に配信される市況関連ニュースには、必ずと言っていいほど、米国市場の結果が掲載されているのではないでしょうか。
米国市場といえば、株式時価総額世界一のニューヨーク証券取引所や世界最大の新興市場のナスダック証券取引所を擁する世界最大の証券市場です。東証・大証上場企業にも重複上場(米国預託証券・ADR)を果たしており、その取引結果が東証や大証の価格形成に大きな影響を与えます。
ここは、基本に立ち返って「なぜ、米国市場の結果が変動要因になるのか?」をまとめてみたいと思います。
世界最大の証券市場となる米国市場には、世界の投資マネーが集中しています。そのマネーが「リスク選好」となればリスク資産となる株式購入が進み、株価は上昇しますし、一方で「リスク退避」となれば、リスク資産の株式価値は低下することとなります。
また、米国経済と日本経済はかつて「米国が『くしゃみ』をすると日本が風邪ひく」と言われたほど、日本の根幹産業となる輸出企業は世界トップクラスの市場規模を持つ米国市場に依存。米国経済を反映した株価の上下によって、日本企業の収益にも影響を与える、との認識も強いようです。
注意すべきは「為替相場も含めて確認しなければならない」ということです。昨年後半からの金融緩和によって、リスク選好=ドル下落の傾向につながっており、リスク選好によって株式購入も進みますが、一方でドル下落とともに円が上昇。日本経済や日本株にとってのマイナス要因となる「円高」を招きかねません。
寄り付き前の市況確認では、米国市場の結果とともに、為替水準も見ておきたいところです。
次回は「シカゴ日経平均先物」について詳しく解説します。お楽しみに!