初めての株式投資

第106回2012年版 SBI証券について

前回では、当欄の「いまから始める株投資、基本の基本」について、もう一度基本に立ち返り、2012年版としての「証券会社の選び方」を再度解説し、次回以降は個々の証券会社の特徴についてお伝えしていくこととしましたが、第1弾となる今回は「SBI証券」について紹介します。

さて、2009年に編集した第1回の「ネット株 証券会社の選び方」でも「SBI証券」は「業界最大手」との位置付けでしたが、現在でもその位置付けは変わりません。上場企業で総合金融業のSBIホールディングス<8473>の傘下にある信用力を持ち味に、ネット証券各社の営業収益、営業利益ではトップの地位にあります。

依然として、業界最低水準の手数料に堅牢な取引システムを備え、国内株式は現物・信用取引、単位未満株取引に債券、投信、外国株や先物オプション、FX、CFD、ワラントなど豊富な品揃えを擁しており、多くのニーズを満たす証券会社でしょう。

また、グループには住信SBIネット銀行の銀行代理業もあり、証券と銀行の口座をミックスさせた「ハイブリッド預金」でMRF(マネー・リザーブ・ファンド)に変わる預金利回りを打ち出しているほか、SBI損保の保険業も手掛けています。株式取引だけでなく、貯蓄性や住宅ローンなど一般的な金融ニーズも汲み取っています。

ただ、取引ツール「HYPER SBI」を備えているものの、若干情報サービスの面がやや乏しい印象も…。とはいえ、あまり積極的な株式取引を行わなければ十分ともいえ、初めて証券口座を開設する方や中長期投資を行う方にとっては取引しやすい証券会社でしょう。

次回は「楽天証券」について紹介します。お楽しみに!

第107回2012年版 楽天証券について

前回から、2012年版としての個々の証券会社の特徴についてお伝えしていくこととし、第1弾として「SBI証券」を紹介しましたが、第2弾となる今回は「楽天証券」について紹介します。

2009年に編集した第1回の「ネット株 証券会社の選び方」でも「楽天証券」は「トレードツール『マーケットスピード』に定評がある証券会社」との位置付けでしたが、現在でもその位置付けは変わらないのではないでしょうか。

トレードツール「マーケットスピード」は、豊富なテクニカル指標が反映できるチャート描画、リアルタイムニュースに四季報情報、日経テレコンなどを備え、情報サービスが非常に充実しています。2009年以降の大きな変更点としては、指値注文を集計した全板情報を表示する「フル板」が追加され、FXや海外先物などでも同様のツールを活用できるようになったことでしょうか。

刻々と変化する相場環境のなかで、ツール上で迅速に発注できることから、デイトレード、スキャルピングなど短期的な値動きで瞬間的な売買注文を下す「専業トレーダー」向きの証券会社でしょう。

また、SBI証券同様に上場企業の楽天<4755>グループとして、楽天銀行を擁していることから、口座連携サービス「マネーブリッジ」を展開。利便性と楽天のサービスで使えるポイントが付与されることもあり、一般的な金融ニーズも汲み取っていますが、やはり総合力ではSBI証券に見劣りします。

それでも、持ち味となる情報サービス、トレードツールの優位性を鑑みれば、活発に売買したいアクティブトレーダーにとって取引しやすい証券会社と言えるでしょう。

次回は「松井証券」について紹介します。お楽しみに!

第108回2012年版 松井証券について

年初から、2012年版としての個々の証券会社の特徴についてお伝えしていくこととし、前回では第2弾となる「楽天証券」を紹介しましたが、第3弾となる今回は「松井証券」について紹介します。

2009年に編集した第1回の「ネット株 証券会社の選び方」において「松井証券」は「定額手数料を設定し、多くのデイトレーダーの支持を集める証券会社」とのイメージでしたが、昨年10月から開始した「即時決済信用取引」により、さらにデイトレーダーから支持される証券会社となっています。

「即時決済信用取引」は、従来の信用取引では一度しかできなかった「同一保証金による信用取引の日計り取引(デイトレード)」を可能にしたもので、信用取引のレバレッジ効果と資金効率を高めるものでしょう。限られた資金枠で活発に取引したいアクティブトレーダーに適したサービスと言えます。

また、先物取引の手数料も引き下げるなど、先物トレーダーも惹きつけていますが、やはり即時決済による信用取引を活用した株式トレーダーこそ向いた証券会社ではないでしょうか。

また、証券会社としての収益力も大手のSBI証券や楽天証券などにも匹敵。事業安定性が高いうえ、取引ツールも備えていることから、他社にシステム障害が発生した場合の「保険目的」としての利用も考慮しておきたいところです。

次回は「マネックス証券」について紹介します。お楽しみに!

第109回2012年版 マネックス証券について

年初から、2012年版としての個々の証券会社の特徴について紹介し、前回では第3弾となる「松井証券」を取り上げましたが、第4弾の今回は「マネックス証券」について紹介します。

業界最大手のSBI証券から、収益規模で順を追って証券会社を紹介してきましたが、2009年に編集した第2回の「ネット株 オススメの証券会社は?」においては、4社目にカブドットコム証券を紹介していました。

しかし、第105回「2012年版 証券会社の選び方について」でも取り上げましたが、2010年5月にマネックス証券がオリックス証券と合併したことにより、収益規模では同証券が業界4番手の位置に上がっています。

特徴としては「サイトの使いやすさNO.1」を謳っているように、投資初心者を取り込むべくユーザビリティに注力していることが挙げられるでしょう。第三者評価機関が「サイトの安定性と信頼感」「便利な機能・サービス」「バイ&ホールド重視型」の各部門で1位を獲得した実績があるようです。

また、国債、社債など個人向け債券取引にも注力していることから、投資初心者から資産防衛ニーズの高齢者など、安定運用を目指した投資家層に適した証券会社とも言えます。

さらに、ロボットが運用を手掛ける日本初の投資信託「カブロボファンド」や、中国株の特定口座対応を打ち出すなど、ユニークなサービスも拡充。積極的に投資収益を目指すトレーダーには物足りない印象もありますが、それほどの活発に売買しない投資家ニーズを満たしていると言えるでしょう。

次回は「カブドットコム証券」について紹介します。お楽しみに!

第110回2012年版 カブドットコム証券について

年初から、2012年版としての個々の証券会社の特徴について紹介し、前回では第4弾となる「マネックス証券」を取り上げましたが、第5弾の今回は「カブドットコム証券」について紹介します。

2012年版のネット証券紹介では、収益規模で順を追って取り上げていますが、前回紹介の「マネックス証券」の業容拡大によって、今回紹介する「カブドットコム証券」は業界5、6位の収益レベルとなってしまいました。

やはり夜間取引の先駆けとして注力していた「私設取引システム(PTS)業務」を昨年10月末に終了したことが響いています。さらに昨年に店頭FXに加え、取引所FX(為替証拠金取引)の取り扱いを開始しましたが、今年からは店頭FXも先物との合算可能な「申告分離課税」に移行するなど、やや投資環境ニーズ対応に立ち遅れている感が否めません。

しかしながら、同証券の特徴でもある「豊富な自動売買機能を有する注文形式」に対する評価は依然として高く、ザラ場中の値動きを監視できないサラリーマンなどのニーズを取り込んでいます。

具体的には、もはや業界で一般的となった「逆指値注文」のほかに、株価推移とともに逆指値注文を自動修正できる「トレーリングストップ」。発注時点ではまだ確定していない価格を基準に発注できる「±指値」、利益確定の指値注文と同時に逆指値でのロスカット注文も合わせて設定できる「W指値」や買い注文と同時にその銘柄の売り注文を同時に予約する「Uターン注文」や「リレー注文」「バスケット注文」などがあり、細かい取引ニーズに対応しています。

さらに、同証券が注力しているのは、返済期限のない一般信用取引です。とくに制度信用取引では売買できない非貸借銘柄を含めた信用取引で、2000を超える銘柄を売建可能とするなど、ネット証券では最大規模。株価下落に賭けるトレーダーの空売りニーズを満たしています。

また、同証券自身も<8703>の証券コードで上場していますし、三菱UFJFG<8306>のネット証券事業としてグループのバックボーンもあることから、対面証券並みの事業基盤を備えているのもメリットでしょう。場中の値動きが確認できなくともデイトレを行いたい方、積極的に空売りを仕掛けたい方、すでに三菱UFJグループでの銀行口座がある方で、機動的に株式取引を行いたい方に適している証券会社でしょう。

次回は「GMOクリック証券」について紹介します。お楽しみに!

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