- 第96回「推奨サインの信用空売りについて」
- 第97回「推奨サインの薄商いについて」
- 第98回「推奨サインのテーマについて」
- 第99回「推奨サインのサプライズについて」
- 第100回「投資アドバイスについて」
- 第1回~第5回
- 第6回~第10回
- 第11回~第15回
- 第16回~第20回
- 第21回~第25回
- 第26回~第30回
- 第31回~第35回
- 第36回~第40回
- 第41回~第45回
- 第46回~第50回
- 第51回~第55回
- 第56回~第60回
第96回推奨サインの信用空売りについて
前回では「推奨サイン」のなかで「新相場入り」について解説しましたが、今回も「推奨サイン」のなかから「信用空売り」について紹介します。
前回の「新相場入り」は買いスタンスの順張り戦略ながら、表現には若干わかりにくい面があることをお伝えしましたが、今回の「信用空売り」は文字通り「信用取引を用いた売り戦略」だと判断できる分、わかりやすいのではないでしょうか。
信用取引の仕組みは、第5回の「信用取引について」で詳しく解説したように、その売りスタンスとなる「信用空売り」は、保有株がなくても売りから取引を行うことから、株価下落を狙ったトレード戦略となります。要するに、今回の「信用空売り」は今後の株価下落が見込まれる銘柄に対する「推奨サイン」です。
やはり株式投資における基本戦略は現物株の売買、とくに上昇が見込まれる銘柄を購入する「買い戦略」が一般的です。企業価値上昇に取り組む企業に対して出資し、株価上昇や配当収入などを得るスタンスで臨む投資家が多いのではないでしょうか。
しかしながら、景気循環や外部要因の影響で、相場全体が株価調整局面に陥ることも頻繁に起こっています。そうなると、株価上昇を狙った買い戦略で投資収益を得ることは難しいのではないでしょうか。
もちろん逆張り視点での買いの好機ともなりますが、順張り視点では売りスタンスに安心感があります。下値を売り込む「底割れ狙い」や短期的な反発局面での「戻り売り」など多彩なエントリーがありますが、買いスタンスに比して少ないため、サインとしては「信用空売り」に一本化されていることが多いようです。
対象も「信用貸借区分」での空売り可能な「貸借銘柄」が中心となります。予め信用返済期限があることから、あくまでも地合い判断に沿った戦略であることを認識して、期間限定で取り組みたいところです。
次回も「推奨サイン」における「薄商い」について解説します。お楽しみに!
第97回推奨サインの薄商いについて
前回では「推奨サイン」のなかで「信用空売り」について解説しましたが、今回も「推奨サイン」のなかから「薄商い」について紹介します。
前回の「信用空売り」は文字通り「信用取引を用いた売り戦略」を示唆する「推奨サイン」でしたが、今回の「薄商い」は前々回の「新相場入り」と同じく、表現には若干わかりにくい面があるかもしれません。
文字表現からのニュアンスとしては「商いが薄い」との感じが掴めると思います。株式投資としては、流動性リスクを勘案して通常から活発に商われている中核銘柄を手掛けるのが主流ですが、商いが薄い銘柄を狙うということは、あえて取引所に出ている指値注文数量が少ない銘柄が対象となり、流動性リスクがあるものの、商う回数が少ない分、1回の取引当たりの値動きの大きい銘柄が対象となるのではないでしょうか。
したがって、値動きが大きい需給妙味の強い銘柄を狙う「推奨サイン」となります。やや主流とは外れますが、主流となる中核銘柄は全体相場の影響を受けやすいため、推奨銘柄となる「薄商い」の銘柄は全体相場の影響を受け難いのが特徴。具体的には、東証1部でも小型株として分類される銘柄、新興市場で業績変動の大きい銘柄や上場から日の浅い新規上場銘柄(IPO)、低位株などが当て嵌ります。
全体相場の受け難い投資対象を狙うことから、局面としては全体相場の先行きの読み難いタイミングで存在感を発揮します。先行きが見極め難い分、短期視点で投資対象を狙う場合、投資家の意識は値動きの良い銘柄に向かいがち。となると「薄商い」な銘柄への資金流入が期待されるわけです。大きなイベントの直前などが該当します。
また、時期的にもポジションを傾け難い大型連休前や年末年始の参加者不足の状況でも、短期視点が強まる局面です。値動きの良い銘柄に資金が集中、突如として人気化することも多いでしょう。
もちろん、主流となる中核銘柄から外れることでの「流動性リスク」を把握しながら、あくまでも地合い判断に沿った戦略であることを認識して、期間限定で取り組みたいところです。
次回も「推奨サイン」における「テーマ」について解説します。お楽しみに!
第98回推奨サインのテーマについて
前回では「推奨サイン」のなかで「薄商い」について解説しましたが、今回も「推奨サイン」のなかから「テーマ」について紹介します。
前回の「薄商い」は、表現に若干わかりにくい面もありましたが、今回の「テーマ」には文字通り株式市場で話題となっている「テーマ株」そのものですし、比較的理解しやすいサインではないでしょうか。
株式相場では、イベントや季節性、経済環境の変化によって、需要拡大の見込まれるテーマ性を帯びた物色対象が人気化するケースが見られます。市況ニュースで「テーマ人気」などを上昇要因とする株価変動を目にしたこともあるのではないでしょうか。
前回の「今週の気になる株式キーワード」で取り上げた『特需』も該当。直近で話題になったテーマとしては、ソーシャルゲーム関連やスマートフォン関連、震災復興関連などで、対象となる銘柄群は地合いの影響を受けずに上昇基調を強めた経緯がありました。
もちろん、テーマ人気には株価や業績に反映された時点で「期待感」も織り込まれたことになります。今後も安定した需要拡大が見込まれれば、テーマ人気も継続しますが、突発的事象による特需はあくまでも特需の域ですし、次期には剥落する場合もあることから、テーマ人気の終焉を見据えておく必要があります。
次回も「推奨サイン」における「サプライズ」について解説します。お楽しみに!
第99回推奨サインのサプライズについて
前回では「推奨サイン」のなかで「テーマ」について解説しましたが、今回も「推奨サイン」のなかから「サプライズ」について紹介します。
今回の「サプライズ」とは、英訳の「surprise」そのものの「驚く」ような材料性に基づく「推奨サイン」でしょう。市況ニュースで「ポジティブサプライズで急伸」など「サプライズ」が用いられた報道が伝わることがありますが、この「サプライズ」を期待したエントリー、または「サプライズ」を確認したあとの株価上昇に乗るスタンスとなります。
この「サプライズ」には、企業の業績予想の増額修正、好決算などの開示情報や業務提携、新技術開発、M&A、TOBなどの突発的事象が当て嵌ります。いずれも市場認識を覆す「サプライズ要素」が強いため、事前予測が難しい株価材料が含まれますが、その反面で材料性が表面化した場合の株価上昇は期待できます。観測報道などを踏まえて材料表面化の期待感に乗るスタンスが軸となるのではないでしょうか。
または、企業の増額修正発表などは、過去の増額実績や直近業績の進捗状況などからもある程度の予測は可能です。もちろん、発表前に期待感で目標株価に至った場合には利益確定を行えば良いわけで、材料表面化を意識した「推奨サイン」だと判断しましょう。
次回は「投資アドバイス」について解説します。お楽しみに!
第100回投資アドバイスについて
前回では「推奨サイン」のなかで「サプライズ」について解説しましたが、今回は「投資アドバイス」について紹介します。
前回までは、独自に調査を行なっている証券会社や投資顧問会社などの推奨銘柄を参考に、具体的な推奨理由のある情報を手掛かりに売買を行うのが「望ましい」として、推奨理由を簡潔にまとめた「推奨サイン」の具体例を紹介しました。
ただ、推奨情報を頼りにしても、実際に売買を行う際には損失リスクに対して臆するケースもあり、経験の浅い投資家や損失を繰り返している投資家には、実践的な「投資アドバイス」も必要となるのではないでしょうか。
そのような場合には「投資助言業務」を行う『投資顧問業』(「今週の気になる株式キーワード」参照)の活用が望ましいのではないでしょうか。
「投資助言業務」を中心としている投資顧問業者は、投資家に対して、株式や債券などの有価証券売買における銘柄選定、数量、価格、売買タイミングなど投資判断について具体的な助言を行います。当然、各業者によってサービスに違いがありますが、総合的な助言サービスから、銘柄選定のみなど、目的とするサービスを選択できる場合もあるようです。
投資顧問業には、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律の規定によって、内閣総理大臣の登録が義務付けられています。投資顧問業契約を結ぶ際には、必ず金融商品取引業者の登録の有無を確認しましょう。
次回は「投資顧問契約」について解説します。お楽しみに!