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第86回地合い判断について
前回では「個別観」について解説しましたが、今回は「地合い判断」について紹介したいと思います。
さて、前回まで「全体観」「個別観」と方向性を推し量る相場用語を紹介しました。銘柄選定のアプローチについては、まず全体観を見極めてから、個別観を強めていくスタンスを推しましたが、この全体観を見極めるために必要とされるのが「地合い判断」ではないでしょうか。
「地合い」とは、相場の状況や雰囲気を指し、基本的には株価指数や売買代金上位銘柄の変動で見て取れます。この相場が強気に、または弱気に傾くことになった「要因」を把握すれば、今後の市場変化を先取りする「判断」も可能となるのではないでしょうか。
相場全体に影響を及ぼす「要因」としては、これまで紹介してきた米国市場や為替相場の変動によるもの、重要な経済指標や前営業日からの反動などが作用してきます。さらに、祝日などで休場が予想されるときには、休場期間中の変動リスクを警戒した直前の「手仕舞い」も出てきます。
もちろん、これらの「判断」には経験が必要ですが、当メルマガの「~来週の相場展望~」など、具体的な相場見通しを明らかにしている情報提供会社の市況分析を参考にしながら、まずは経験を積みましょう。
重要なのは、具体的な相場見通しをもとに「展開を先読みしようとする」行動です。もちろん、誰しも未来を的確に予想することはできませんし、事前の判断と結果が食い違ってくるのは当たり前ですが、予め展開想定を行っておくことで、思惑に反した場合でも冷静に対処できます。
相場見通しを参考にしつつも独自の視点で、今後の相場が騰がるのか、それとも下がるのか、との判断を持ちあわせておけば、株式投資における売買の判断にもつながっていくでしょう。
次回は「銘柄アプローチ」について解説します。お楽しみに!
第87回銘柄アプローチについて
前回では「地合い判断」について紹介しましたが、今回は「銘柄アプローチ」について解説したいと思います。
前回まで、銘柄選定におけるアプローチについて、まず全体観を見極めてから、個別観を強めていくスタンスを推し、この全体観を見極めるために必要とされるのが「地合い判断」ということを紹介しました。
ここまでは、すべて「銘柄アプローチ」のための下準備であり、株式市場に上場する銘柄の取捨選択までは至っていません。もちろん、地合いに沿って全体観に左右されやすい銘柄と左右されにくい銘柄を紹介しましたが、具体的な個別銘柄の選別方法までは紹介していませんでした。
個人投資家の方からも「個別銘柄が知りたい」というニーズが一番強いことを理解していますが、やはり個別観のみで捉えられることが多く、地合い判断など「下準備」を軽視する傾向が強いことから、まずは全体観を把握してから、銘柄を絞り込んでいく「順番」を軽視しないでもらいたいものです。
さて、銘柄アプローチに話を戻しますが、できれば「知名度の高い銘柄」や「賑わっている銘柄」を闇雲に手掛けるのではなく、まずは独自に調査を行っている証券会社や投資顧問会社の推奨銘柄を参考にしましょう。
その推奨銘柄には、具体的な推奨理由なども付け加えられているのが望ましい情報です。「なぜ、この銘柄を推奨するに至ったか」という視点は無視できませんし、全体観やテーマ性などを踏まえているかどうかもポイントとなります。
詳しい推奨理由があり、具体的な目標株価、ロスカットなどを併記してある銘柄情報を参考にしてください。
次回は「目標株価」について解説します。お楽しみに!
第88回目標株価について
前回では「銘柄アプローチ」について紹介しましたが、今回は「目標株価」について解説したいと思います。
前回取り上げた「銘柄アプローチ」では、まずは全体観を把握してから、銘柄を絞り込んでいく「順番」をお伝えしたほか、個別銘柄も闇雲に手掛けるのではなく、独自に調査を行っている証券会社や投資顧問会社の推奨銘柄を参考にすることを紹介しました。
そのなかで、推奨銘柄には全体観やテーマ性などを踏まえて「なぜ、この銘柄を推奨するに至ったか」という具体的な推奨理由や、具体的な目標株価、ロスカットなどを併記してある銘柄情報が望ましいこともお伝えしていたと思います。
そこで、今回は「目標株価」を中心に解説します。
さて、目標株価とは、その名の通り「目標となる株価」となります。第54回「調査機関の投資判断について・前編」でも紹介していましたが、証券会社など調査機関のレーティングでも付け加えられることが多く、個人投資家の方でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
目標株価が時価よりも高ければ、その株価まで上昇余地の見込まれる「評価余地」とも判断できますし、利益確定の注文を行ううえで目安になるでしょう。
ただ、調査機関の投資判断で示される目標株価には「対象期間は12カ月」など期間を設けられているケースが大半です。これは経済状況や全体観、対象銘柄の実態面に即したもので、これらの状況の変化次第では目標株価にも修正が加えられることを覚えておきましょう。
また、株価指標面から見た暫定的な評価に過ぎませんし、あくまでも参考程度に留めておく必要があります。ただ、値上がり益獲得を目指した投資運用ではいつまでも保有を続けるわけにもいきませんし、推奨理由に付け加えられている目標株価での利益確定を繰り返しながら、資産運用に努めていきたいものです。
次回は「ロスカット」について解説します。お楽しみに!
第89回ロスカットについて
前回では「目標株価」について紹介しましたが、今回は「ロスカット」について解説したいと思います。
前回取り上げた「目標株価」は、独自に調査を行っている証券会社や投資顧問会社の推奨銘柄において、具体的な目標株価、ロスカットなどを併記してある銘柄情報が望ましく、目標株価は売買の際の目安となることをお伝えしました。
今回は「ロスカット」を中心に解説します。
英訳の「loss cut」が意味するように、日本の相場用語としては「損切り」が該当。成長著しいFX業者の「強制決済」などでも用いられるなど、すでに一般的な用語ともなってきました。
ロスカットも目標株価と同じく、売買の際の目安となりますが、目標株価は証券会社など調査機関のレーティングでも付け加えられていることが多いものの、ロスカット水準に関して明記された情報は限られるのではないでしょうか。
資産運用においては、手がけた売買全てが利益となるケースは極めて稀です。材料性や全体観など相場見通しに変化が生じた場合、思惑に反して株価が逆行することもあり、その銘柄の手掛ける際に参考とした前提条件が崩れた場合は、損失が大きく膨らむ前にロスカットを行ったほうが賢明でしょう。
とくに移動平均線など支持線割れ、銘柄のボラティリティに変化が生じ、トレンドが崩れた場合などは、買い値まで戻るのに時間を要する場合もあります。資金効率を意識するならば、値下がりした銘柄をロスカットして仕切り、他の期待値の高い銘柄に乗り換えたほうが理に適っています。
独自に調査を行っている証券会社や投資顧問会社の推奨銘柄では、具体的なロスカット水準が設定されている推奨情報を参考にしたいものです。ただ、全ての推奨銘柄、投資家にとって一度の損失額に個人差があるように、後述の「今週の気になる株式キーワード」で紹介する『リスク許容量』も変わってくるのではないでしょうか。
次回は「リスク許容量」を踏まえた「マネーマネジメント」について解説します。お楽しみに!
第90回マネーマネジメントについて
前回では「ロスカット」について解説しましたが、今回は「マネーマネジメント」について解説します。
前回取り上げた「ロスカット」では、手がけた売買全てが利益となるケースは極めて稀で、損失が大きく膨らむ前に手仕舞うなど、具体的なロスカット水準が設定されている推奨情報を参考にするスタンスをお伝えしました。
ただ、全ての推奨銘柄、投資家にとって一度の損失額に個人差があることなど、ロスカット設定は「リスク許容量」によって変わってくることも記していたと思います。
そこで今回は「リスク許容量」を踏まえた「マネーマネジメント」について解説します。
まずは「リスク許容量」についてですが、前回の「今週の気になる株式キーワード」でお伝えしたように「個人投資家や機関投資家の投資額から許容できるリスクの分量」を指します。
投資リターンを求める場合には相応のリスクも伴い、投資対象や期待リターンで許容量は増減しますが、一般的には投資総資産の数%程度、投資額における1割未満が望ましいとされています。リスク許容量を高めれば高い投資リターンが期待できるものの、1回の取引の重みも増してくることから、株式投資では数%の株価変動での利益確定、ロスカットが望ましいのではないでしょうか。
さて、このリスク許容量に応じて利益確定、ロスカットの割合を決め、資産レベルでリスク・リターンを管理するのが「マネーマネジメント」となります。
安定して投資収益を上げていくためには、値下がりした銘柄はロスカットして仕切り、値上がり可能性の高い他の銘柄に乗り換えるなど、資金効率を意識した投資運用が欠かせません。もちろん、含み益の生じた銘柄では目標株価で利益確定を行い、利益>損失となる「損小利大」を目指すべきです。
長らく相場を生き抜いた経験豊富な投資家ならば、意識せずとも厳格なマネーマネジメントを構築しています。一方、市場から退出を余儀なくされる投資家の多くは、過大なリスクを抱えたトレードが挽回不可能な損失となるなど、マネーマネジメントの失敗によるケースがほとんどです。
投資を行う上で最も重視すべきマネーマネジメントですが、理屈では理解できるものの、精神的、心理的なものが作用し、順守できないことが多いようです。まだ身に付けていないうちは、証券会社や投資顧問会社の投資助言サービスを利用することをオススメします。
次回は「タイムカット」について解説します。お楽しみに!